2025年5月28日(水) 森林大国

森林大国

環境省によると、世界の森林面積は全陸地面積の三割以上を占めています。しかしながら、森林の減少は続いており、二〇一〇年から二〇一五年まで、平均して毎年三三〇万ヘクタールの森林が失われました。

特に減少が大きかったのは、森林伐採が進む、ブラジル、インドネシア、ミャンマーなどの国々です。一方で、活発な植林活動を行なった中国やフィリピン、インドなどでは森林面積が増加しました。

日本は国土の七割近くが森林であり、その率が世界第三位の森林大国です。過去五十年以上、森林面積の増減はなく、この高い割合を保持しています。

私たちの祖先は古来、自然には神が宿るとして、信仰の対象としてきました。神木や神聖な場として、保存されている自然は今も多く存在します。

森の中で過ごすことで心身が癒やされ、英気を養った経験がある人もいるでしょう。物質的にも精神的にも、自然は私たちの生活に必要不可欠なものです。

自然を大切にし、後世に残すことは、私たちの責任なのです。

今日の心がけ◆自然を大切にしましょう

出典:職場の教養5月号

感想

この文章からは、森林の現状と、それに対する人々の取り組み、そして自然との精神的なつながりについて深く考えさせられました。

特に、日本が国土の七割近くを森林に覆われているという事実には、誇りと同時に責任感を感じます。

これは単なる数字以上の意味を持ち、私たちの文化や精神性に深く根ざした自然観を象徴しているように思えます。

また、神木や聖域として自然を崇めてきた日本の伝統的な信仰は、現代においても大切にしたい価値観です。

これは単に環境保護の一環としてではなく、人間と自然との共生を精神的にも支えるものです。

こうした視点が、単なる植林活動や法整備では補いきれない、自然との関係の本質を語っているように感じます。

今日の心がけとしての「自然を大切にしましょう」という一言は、ただのスローガンではなく、自らの生き方を見つめ直すきっかけとして非常に効果的です。

自然を守るという行為が、私たち自身の内面の豊かさにもつながることを、改めて実感しました。

否定的な感想

この文章が提起する森林問題の深刻さには同意しますが、情報の提示がやや表面的に感じられる部分もありました。

例えば、「中国やフィリピン、インドで森林面積が増加した」とありますが、それが果たして持続可能な形での植林なのか、あるいは経済的・政治的な意図を含んだ一時的な施策ではないのか、もう少し踏み込んだ説明がほしいところです。

また、日本の森林が五十年間変わらずに維持されていることに関しても、これは一見して良いことのように思えますが、その実態がどれほど活用され、管理されているのかという視点も欠かせません。

放置された人工林の問題や林業の衰退といった課題を無視することはできません。

さらに、「自然には神が宿る」という信仰に触れる部分は文化的に興味深いものの、それが現代の環境意識とどのように具体的に結びついているのか、やや曖昧な印象を受けました。

信仰としての自然尊重と、科学的根拠に基づいた環境保護とを明確に区別し、両者の接点を提示することで、より説得力のあるメッセージになったのではないかと感じます。