消費習慣を見直す
SNSなどのソーシャルメディアでは、購入した物を紹介したり自慢したりする投稿が多い一方、昨今では「買わないこと」の投稿が増えてきています。
アメリカでは不要な買い物を控え消費習慣を見直す「NO BUY 2025」が注目されています。その背景には物価高や環境問題があるようです。
この取り組みの一例として、①気になる物があったら、写真などを撮って保存する。②月末までに一度も考えなかったら、写真を削除する。③三ヵ月後に写真が残っていたら貯金の範囲内で購入する。といったものがあります。
新しい商品を見つけて、欲しいと感じてすぐさま購入し、後々ほとんど使わなかったというケースはないでしょうか。
使わない物を買ってしまったり、同じような物を複数所有していたりして、管理や置き場に困っているという声も聞かれます。
「衝動買い」による無駄な浪費を防ぎ、本当に必要なものにお金を使いたいものです。そうすれば物を大切にし、ふさわしく活用できるでしょう。
今日の心がけ◆物の必要性を確認しましょう
出典:職場の教養6月号
感想
この「NO BUY 2025」の取り組みは、現代の過剰な消費社会に対する静かな反抗とも言えるもので、非常に共感できる姿勢だと感じました。
物を買うことで得られる一時的な満足感に振り回されるのではなく、「本当に必要なのか?」という問いを自らに投げかけることで、自分自身の価値観と丁寧に向き合えるようになるのです。
特に写真に撮って“保留”するという方法は、単なる我慢ではなく、感情の波を受け流すための工夫に満ちており、衝動から距離を取るための実用的で優しい方法だと感じました。
さらに、環境問題や経済的な理由も絡んでくる中で、こうした慎重な消費の姿勢は、単なる「節約術」ではなく、暮らしの哲学へと昇華している印象を受けます。
「使わない物を買ってしまう」という経験は誰にでもあることで、それを反省し、次に生かすためのステップとしての「買わない選択」は、物を通じて自分を見つめ直す行為にもなるのだと納得しました。
今日の心がけにある「物の必要性を確認しましょう」という一文は、ただの提案ではなく、暮らしの方向性を指し示す羅針盤のようです。
否定的な感想
このような「買わない運動」が一部で賞賛される流れには、やや窮屈さや道徳的な強制力を感じる瞬間もあります。
節度ある消費は大切ですが、それが「欲しいと思うこと」自体を悪のように扱ってしまえば、人間の自然な感情を抑圧することにもつながりかねません。
とくに、生活に疲弊している人や、日々の小さな楽しみに物を買うことが必要な人にとっては、「我慢」だけが前面に出るような価値観の押しつけになってしまう危険性もあるのではないでしょうか。
また、写真を撮って三ヶ月間待つという方法は、理想的ではあるものの、実際の生活にうまく組み込むのは意外と難しいとも感じました。
時間がない人、家庭を持っていて買い物の判断が即断即決で求められる人にとっては、少し現実離れしたアプローチに映るかもしれません。
本来、消費とはその人の人生の一部であり、自由な選択があるべきです。
「買わない」という行動だけが正しいとされてしまうと、そこに含まれる創造性や個性が見落とされてしまう恐れがあると思います。