2025年11月5日(水) 身近にあった勉強法

身近にあった勉強法

大学受験を控えた娘がいるAさんは、娘に文章力をつけてほしいと感じ、何か良い勉強法はないものかと考えていました。

国語の成績が極端に悪い訳ではないのですが、苦手な理数系科目の勉強に時間を取られ、文章力を高めるためにと勧めた読書もなかなか継続できません。

そんな折、社内で実施された俳句コンテストで同じ部署のBさんが入選し表彰されました。毎年のように入選するBさんに「俳句を習っているの?」と尋ねると「特別に習ってはいないけど、慣れみたいなものはあるかな」との返答です。

詳しく聞くと、以前の勤務先の印刷会社で何度も句集の制作に携わり、多くの俳句を目にしているうちにリズムのようなものが身についたといいます。

これにヒントを得たAさんは、職場の朝礼で使用している『職場の教養』を持ち帰り、短い本文中に起承転結が整理された文章を毎日読むことを勧めました。

知らない知識にも触れ、短時間で読めて継続できる、良い勉強法が身近にあったことに改めて気づいたAさん。娘の成長を楽しみにしているとのことです。

今日の心がけ◆継続できる訓練法を見つけましょう

出典:職場の教養11月号

感想

この話からは、学びというものが決して特別な場所にだけあるのではなく、日々の生活の中にこそ豊かなヒントが隠れているということを改めて感じさせられました。

Aさんが娘のために何か有効な勉強法を模索していた中で、「俳句コンテストでのBさんの入選」に着目し、そこから学習のヒントを見出した視点の柔軟さには、深い愛情と冷静な観察力を感じます。

特に、文章力を高めるための方法として『職場の教養』を活用するという発想は、一見すると地味でありながら、実は非常に効果的です。

毎日の短い読み物の中に、構成や表現、論理の運び方といった文章の基礎が凝縮されており、それを継続的に読むことで自然と文章感覚が養われていく。

まさに「継続できる訓練法」の実践例だと感じました。

さらに、娘自身が苦手意識を持つ分野に時間を割かざるを得ない中で、負担にならずに実行できるこの方法は、親としての思いやりと現実的な知恵の融合です。

「今日の心がけ」にあるように、続けられる形で学びの習慣をつけることこそ、将来的に大きな成果につながるという教訓にもなっています。

否定的な感想

この話には一つ引っかかる部分もあります。

それは、「文章力を高めるためには読書が必要」「苦手な理数系を優先すると国語が疎かになる」といった前提が、やや古典的かつ固定的な価値観に基づいているように感じられた点です。

文章力とは確かに読書や作文によって育まれる部分が大きいですが、それ以上に、対話や観察力、あるいは論理的思考力とも深く関わっているものです。

むしろ、理数系の勉強を通じて鍛えられる思考の筋道や明快な表現力も、文章力の一部として捉えるべきではないでしょうか。

また、Aさんのように親が良かれと思って導入する学習法が、子どもにとって本当に興味を持てるものであるかどうかという視点がもう少しあってもよかったかもしれません。

どんなに効果的な方法でも、本人の内発的な関心やモチベーションがなければ続かないものです。

『職場の教養』が大人には読みやすくても、娘さんにとっては単調に感じる可能性もある。

Aさんの熱意は素晴らしいですが、「親の発想」と「子の感性」との間にズレがないか、対話を重ねることもまた、親子にとっての「継続できる訓練法」なのではないかと思います。

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