いつもと同じ
Tさんは、勤務する会社で毎年恒例となっている社内イベントの実施責任者です。今年も開催が近づいてきたので、様々な準備を進めていました。
数年間、担当している仕事だけに、早々に企画書をまとめて上司に提出しました。しかし、「代り映えしない」との理由で差し戻されてしまいました。
そこで、大幅に内容を変えたところ、今度は斬新すぎて主旨から大きく外れた内容になってしまい、窮したTさんは上司に相談したのです。
上司からは「過去の事例にとらわれ過ぎず、イベント本来の目的をよく考え、さらに社内の現状に鑑みて企画にあたるように」とアドバイスされました。
業務が忙しかったこともあり、Tさんは昨年までの内容を安易に改変しただけの企画書を提出していたのでした。上司はそれを見抜いていたのです。
企画を任された当初は慣れないながらも精一杯、準備に取り組んでいたTさん。いつの間にか主旨を忘れ、惰性に流されていたことを反省したといいます。
「わかる」「できる」の先に、本当の成長があることを感じたTさんでした。
今日の心がけ◆さらなる向上を目指しましょう
出典:職場の教養1月号
感想
この話で最も心に残ったのは、「わかる」「できる」のその先に成長があるという気づきを得たTさんの姿勢です。
経験を積んだことで業務が効率的に進められるようになる一方で、同じ形式を繰り返すことが惰性や思考停止につながってしまう。
その落とし穴に気づき、自らを省みるTさんの姿には、真摯さと成長への意志を感じました。
上司からの指摘がなければ、マンネリ化したやり方に安住し続けていたかもしれませんが、そこで立ち止まり、自分の姿勢を問い直したことにこそ価値があります。
特に印象的だったのは、上司のアドバイスがただのダメ出しではなく、「目的を見直す」ことに焦点を置いていた点です。
目的を見失わず、現状を捉えて再構築する姿勢は、どんな業務にも求められる基本でありながら、実践するのは簡単ではありません。
過去に縛られず、しかし奇をてらいすぎることもなく、本質を掴もうとするそのバランス感覚に、成熟した仕事観がにじみ出ています。
「今日の心がけ」にある「さらなる向上を目指しましょう」は、単なる技術や実績ではなく、自分の思考や姿勢の向上も含む言葉として、より深く受け止めるべきだと感じました。
慣れている仕事ほど、問い直すことを怠らずにいたいものです。
否定的な感想
この話にはやや理想的な再生の物語としての枠組みが強く、現実の職場でありがちな「上司の指摘→部下の反省→気づきと成長」という図式に、少し安直さを感じました。
Tさんが「代わり映えしない」と指摘された後に、大幅な変更を試み、しかし「斬新すぎる」と再び否定される。
このような行き過ぎた振り子の動きは、実際には本人の努力や創意を削ぐ結果になりかねません。
試行錯誤のプロセスの中で、もう少し段階的なフィードバックや対話があっても良かったのではと感じました。
また、「昨年までの内容を安易に改変しただけ」という記述は、Tさんの姿勢を反省の文脈で描いてはいるものの、それが必ずしも怠慢や手抜きとは限らない点にも目を向けたいと思います。
忙しい中でも過去の積み上げを活かすことは、業務効率の観点ではむしろ望ましい部分もあります。
問題は形式の踏襲そのものではなく、「なぜそうするのか」「どこに目的があるのか」を意識的に選択しているかどうかにあるはずです。
さらに、上司がTさんの惰性を「見抜いていた」とする表現も、やや一方的な上下関係を強調しすぎている印象があります。
部下が置かれている状況や、背景となる業務負担などにも配慮しなければ、本当の意味での成長支援にはなりません。
「主旨を考えよ」という言葉は重要ですが、それをどう実行可能な形に導いていくかという視点が欠けていると、単なる精神論に終わってしまう危うさも感じました。
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