いってらっしゃい
会社員のSさんは、通勤で最寄り駅までバスを利用しています。最寄り駅に到着してバスを降りる際、運転士から元気よく「いってらっしゃい」と声を掛けられることに、Sさんは心地よさを感じていました。
いつもSさんが利用する時刻のバスはその運転士が担当していましたが、ある日から別の人に変わりました。下車する時、新しい運転士からは「いってらっしゃい」の言葉がなく、Sさんは少しさみしく思いました。
そして同時に、これまで運転士から掛けられていた「いってらっしゃい」という言葉に、一日のスタートを切る元気をもらっていたのだと感じたのです。
一方で、Sさん自身はそのような言葉を誰かに掛けているだろうかと振り返ってみると、家庭で小学生の子供が遊びや習い事に行く時に、意識して「いってらっしゃい」と送り出していないことに気が付きました。
家庭においても職場においても、誰かが出かける時には、その日も無事に帰ることができるよう願いを込め、「いってらっしゃい」と送り出したいものです。
今日の心がけ◆心を込めて送り出しましょう
出典:職場の教養9月号
感想
この話を読んで、私は、普段何気なく交わしている挨拶には、思っている以上に人の気持ちを支える力があるのだと感じました。
Sさんは運転士が変わり、「いってらっしゃい」がなくなって初めて、その一言から元気をもらっていたことに気づきます。
毎日あるものは当たり前になり、そのありがたさを意識しなくなりますが、なくなった時に初めて、その存在の大きさが分かることは私たちの生活にも多いように思います。
特に印象に残ったのは、Sさんが「自分も同じように誰かへ言葉を掛けているだろうか」と振り返ったところです。
受け取った優しさに感謝するだけでなく、それを今度は自分から周囲へ渡していく姿勢に、この話の大切な部分があるように感じました。
「いってらっしゃい」は短い言葉ですが、そこには「気をつけて」「無事に帰ってきて」という思いも込められます。
職場でも家庭でも、挨拶を単なる習慣として済ませるのではなく、相手を気に掛ける気持ちを少し乗せることで、その人の一日を明るくできるのかもしれません。
私も身近な一言ほど丁寧に伝えていきたいと感じました。
否定的な感想
この話では、「いってらっしゃい」という言葉の温かさが中心に描かれていますが、新しい運転士がその言葉を掛けなかったことを、少し寂しい変化として受け止める構成には考える余地があると感じました。
運転士によって接客の仕方や大切にしていることは違います。言葉には出さなくても、安全運転や丁寧な乗降への配慮によって、利用者を大切にしている場合もあるでしょう。
特定の挨拶がないことだけで、その人の心遣いまで判断しないことも大切だと思います。
また、「心を込めて送り出す」ことを必ず言葉にする必要もないでしょう。
家庭でも職場でも、関係性や状況によって自然な表現は異なります。「いってらっしゃい」と言う人もいれば、「気をつけてね」と声を掛ける人、笑顔で見送る人もいます。
大切なのは決まった言葉を使うことではなく、相手の無事や一日を気に掛けていることが伝わることではないでしょうか。
挨拶の形式よりも、その根底にある思いやりに焦点を当てれば、より幅広い人間関係に活かせる内容になると感じました。
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