2025年12月29日(月) やればできる

やればできる

「頭上運搬」とは、自動車などで物が運べないような地域で、人が荷物を運ぶ際に使用されている身体技法の一つです。

アフリカ、中南米、東南アジア一帯で見られる頭上運搬は、一九八〇年代半ばまで、日本でも沖縄県で行なわれていたことが分かっています。

幼い頃に頭上運搬を行なった経験がある人々に聞くと、「教えてもらったことはなく、自分にもできると思ってやったらできた」と答えるそうです。

こうした頭上運搬についての著作を持つ、津田塾大学名誉教授の三砂ちづる氏は、身体技法ができるようになるコツとして「できると思ったらできる。できないと思ったらできない」と述べています。

これは、何かに取り組む際の心の在り方として重要です。「できる」「やってやるぞ」という心が、物事を可能にし、成功に導くのでしょう。

目標を立てたり、新しく何かに取り組んだりする際は、できるかできないかで考えるのではなく、「できる」と信じて、果敢にチャレンジしたいものです。

今日の心がけ◆できると心を決めて取り組みましょう

出典:職場の教養12月号

感想

この話を読んで強く感じたのは、「人の可能性は思っている以上に、最初の心の置きどころで決まってしまう」という事実です。

頭上運搬という、一見すると特別な訓練や才能が必要そうな身体技法が、「自分にもできると思ったらできた」という感覚で身についているという点に、深い説得力があります。

そこには理屈よりも先に、「疑わなかったこと」「やれる前提で体を動かしたこと」が大きく作用しているように思えます。

三砂ちづる氏の「できると思ったらできる」という言葉は、決して精神論だけではなく、人間の身体や感覚が持つ本来の柔軟性を示しているように感じました。

私たちは成長するにつれて、「失敗したらどうしよう」「自分には無理かもしれない」というブレーキを先にかけてしまいますが、それ自体が可能性を閉ざしているのだと気づかされます。

今日の心がけである「できると心を決めて取り組みましょう」は、挑戦のハードルを下げ、まず一歩踏み出すための、とても実践的で力強い指針だと思いました。

否定的な感想

この話をそのまま受け取ると、「できないのは信じていないからだ」という自己責任論に傾いてしまう危うさも感じます。

現実には、環境や身体的条件、経験の差によって、どうしても時間がかかったり、向き不向きがあったりすることも事実です。

「できると信じれば必ずできる」と単純化してしまうと、うまくいかなかったときに、自分を過度に責めてしまう人もいるのではないでしょうか。

また、幼少期の頭上運搬と、大人になってからの挑戦とでは、恐れや失敗への意識の重さがまったく違います。

その違いを考えずに同列に語ってしまうと、現代を生きる私たちの葛藤が見えにくくなる気もしました。

今日の心がけを生かすなら、「できると信じる」ことに加えて、「できなくても学びは残る」と自分に余白を与える視点も必要だと感じます。

そうであってこそ、この言葉は人を追い詰めるものではなく、背中をそっと押す力になるのではないでしょうか。

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