独創的な発想
量子電磁力学の研究で知られるアメリカの物理学者リチャード・ファインマン氏は、一九一八年五月十一日に生まれました。
氏は卓越した研究能力を持つだけでなく、教育者としても優れており、さらには独創的な人物でもありました。氏の父親は常々、表面的な理解にとどまらず、物事の奥にある本質を見ることの大切さを語っていたといいます。
そんなファインマン氏は、ある書籍の中で学生に向けて、すでに結論が出ている問題であっても、自分自身でもう一度考えてみることの重要性を説いています。
解決法が知られている問題でも、自ら考えることを繰り返せば、深い理解や新たな発見につながるのだと述べています。
これは職場にも当てはまるでしょう。例えばトラブルの対処法について、前例やマニュアルを開く前に、まずは自分ならどうするかを少しの間考えてみる、といった姿勢です。
意識的に自分で考えることを積み重ねることで、いざという時の判断力は確実に養われていくはずです。
今日の心がけ◆ 自分で考える時間を作りましょう
出典:職場の教養5月号
感想
リチャード・ファインマン氏のエピソードを読んで、改めて「知っている」ことと「理解している」ことの間には、深い溝があるのだと感じさせられました。
私たちは日々の忙しさの中で、つい効率を優先してしまい、既にある正解やマニュアルをそのまま受け入れることに慣れきっています。
しかし、彼が説く「結論が出ている問題でも、自分の頭でもう一度解いてみる」という姿勢は、単なる知識の習得ではなく、思考の筋肉を鍛えるためのトレーニングのようなものですよね。
父親の教えである「物事の奥にある本質を見る」という視点も、現代の私たちにとって非常に重みがあると感じます。
表面的な情報だけをなぞって分かったつもりになるのは簡単ですが、それでは想定外の事態が起きたときに立ち往生してしまいます。
日頃から「なぜこの結論になるのか」「自分ならどうアプローチするか」を頭の中でシミュレーションする習慣を持つことは、自分自身の軸を作ることに繋がるのではないでしょうか。
こうした地道な思考の積み重ねが、いざという時の直感や判断力の源になるのだと思うと、一見遠回りに見える「自分で考える時間」こそが、実は最も確実な成長への近道なのだと勇気づけられる思いがしました。
否定的な感想
この「自分で考える」というプロセスを実際の職場環境に当てはめることの難しさについても、少し考えてしまいました。
現代のビジネスシーンでは、スピードと正確性が何よりも重視されます。
トラブルが発生した際に、マニュアルを確認する前に「自分ならどうするか」を考えている時間があるのなら、一刻も早く定石通りの処置をして被害を最小限に抑えるべきだ、という意見が出るのも無理はありません。
また、独創性を重んじるあまりに、先人が築き上げた効率的な手法や安全策を軽視してしまうリスクも無視できません。
ファインマン氏のような天才であれば、自力で正解に辿り着くプロセス自体が新しい発見に繋がりますが、多くの人にとっては、下手に自己流を混ぜることでかえって混乱を招いたり、無駄な時間を費やしてしまったりする可能性もあります。
「まずは自分で考える」という姿勢は素晴らしいものですが、それを実行する際には、時間的な制約や周囲への影響を冷静に見極めるバランス感覚も同時に求められるのではないかと感じました。
個人の探求心と組織としての効率性をどう両立させるかという点は、理想論だけでは語れない、現実的な課題として私たちの前に横たわっている気がします。
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