2024年6月16日(日) 年の功

Fさんの父親は九十歳を超えた頃から歩行が困難になり、現在は介護施設に入居しています。Fさんは父に会う度に、体力は低下しているものの、思考力や判断力は衰えていないと感じています。

Fさんは休日に施設に行くと、父の傍らで世間話をしたり、時には仕事に関する様々な書類に目を通したりします。その際に父は、「こういう資料も必要ではないか」「ああいうことは考慮しなくてもいいのか」等と聞いてきます。

そこで手元の資料を見直すと、確かにそういう書類も必要だったとか、至らなかった点があったと気付かされることが少なくありません。

Fさんの父は第一種電気主任技術者の免許を持ち、八十歳まで現役で働いていました。「壮にして学べば、即ち老いて衰えず」の言葉通り、Fさんは年の功の実例を間近で見ているような気がしています。

これではいつもで経っても父には追い付けないと思いつつ、自分も年の功を積めるよう日々努力していこうと誓ったのでした。

今日の心がけ◆日々学び続けましょう

出典:職場の教養6月号

感想

今日のエピソードは、年齢を重ねてもなお学び続けることの重要性を教えてくれるお話でした。

Fさんの父親が九十歳を超えても思考力や判断力を保ち続けているということに深い感銘と希望を感じました。年齢を重ねるとともに体力はどうしても衰えてしまうものですが、知識や経験、そしてそれに基づく洞察力は、むしろ年齢とともに深まるということは非常に喜ばしいことです。

また、Fさんが父親と過ごす時間を大切にし、父親からの助言を素直に受け入れる姿勢も尊敬すべきものです。親子の絆が強く感じられ、Fさんが父親の言葉や指摘を真摯に受け止めることで、自分自身の成長に繋げている様子には心打たれます。

年齢に関係なく、常に新しいことを学び、知識を深める姿勢は、どの世代にとっても大切な教訓です。私自身も、日々の生活や仕事の中で学び続けることの重要性を改めて感じ、この話を聞いて自分ももっと努力しようと強く思いました。

最後に、Fさんが「自分も年の功を積めるよう日々努力していこうと誓った」という結びには、未来への希望と決意が伺えます。この決意は、私たち全ての人にとっても励ましとなり、日々の学びを怠らず、成長を続ける大切さを思い起こさせてくれます。

今日の心がけとして「日々学び続けましょう」というメッセージは、非常に力強く、私たちが常に心に留めておくべきものです。この話を通じて得られる学びと感動は、日々の生活において大きな励みとなることでしょう。

否定的な感想

Fさんの父親が九十歳を超えても判断力や思考力を保っていることは素晴らしいことですが、これは必ずしも一般的なケースではありません。多くの高齢者が認知機能の低下に苦しんでいる中で、この話が一種の理想像を描きすぎている可能性があります。現実には、年齢とともに身体的・精神的な能力が低下することは避けられず、そのような変化に対する適切な理解と対応が求められます。この話はその現実を軽視しているようにも感じられます。

さらに、Fさん自身が父親に対して「追い付けない」と感じている点も問題です。親の偉業や能力に対して尊敬の念を抱くことは大切ですが、それが自己評価を低くしてしまう原因となるのは避けるべきです。Fさんが父親の影響を受けすぎて、自分自身の価値や能力を正当に評価できなくなる危険性があります。自己成長を目指すことは素晴らしいことですが、他人と比較することなく、自分のペースで進むことも重要です。

最後に、「日々学び続けましょう」というメッセージは一見前向きで良いもののように思えますが、それがプレッシャーとなり、過度のストレスを生むことも考えられます。常に学び続けることが求められる現代社会において、時には休息やリフレッシュも必要です。この話がそのバランスを欠いているように感じられる点も否定的な要素として挙げられます。