2024年7月13日(土) 新人の意見

春に入社した新入社員の皆さんは、この数カ月で上司や同僚との関係を築き、職場の雰囲気にもようやく馴染んできた頃でしょう。

このように、職場生活のリズムもつかめ、仕事に慣れてきた頃というのは、職場や仕事に対する疑問や意見が湧いてくることもあります。

実際、〈こうしたらもっと良くなるのに〉と感じることもあるでしょう。ただし、いきなり意見を言うとトラブルになることもあります。

そんな時は、一呼吸して〈なぜこうなったのか〉と考えてみましょう。そして、理由やいきさつを問うという方向に視点を変えてみてはいかがでしょうか。

先輩たちが辿ってきた仕事の足跡を調べてみると、なぜそのような状況になったのか、理由や経緯、そうせざるを得なかった背景もみえてきます。

後輩は、生まれた時代も育った環境も違うので先輩とまったく同じようなことを体験することはできません。しかし、それを知ることはできるはずです。

その知識を通じて共感の思いを育み、より良い改善の提言をしたいものです。

今日の心がけ◆先人の足跡を知りましょう

出典:職場の教養7月号

感想

先輩たちの経験や、現状に至った経緯を理解することは、世代間のギャップを埋め、組織の連続性を保つ上で非常に重要な視点だと感じました。

自分の意見をすぐに表明する発言力も大切ですが、一旦「なぜこうなったのか」を考え、背景を理解しようとする姿勢は、建設的な改善につながる重要なステップです。表面的な問題に対して即座に解決策を提案するのではなく、その経緯を理解することで、より効果的で持続可能な改善が可能になります。

単に現状を批判するのではなく、深い理解と共感に基づいて行動することは、職場だけでなく、今後の人生のあらゆる場面で適用できる貴重な教訓だと感じました。歴史から学び、それを現在と未来の改善に活かすという姿勢は、個人の成長にも組織の発展にも不可欠だと思います。

否定的な感想

まず、この話は新入社員の自主性や創造性を抑制する危険性があると感じます。「いきなり意見を言うとトラブルになることもあります」という警告は、新入社員に過度の慎重さを強いる恐れがあり、これは組織にとって貴重な、新しい視点や革新的なアイデアの芽を摘んでしまう可能性があります。

また、この話は組織内の権力構造や年功序列を暗に肯定しているように見えます。新入社員に対して、既存の方法や考え方を無批判に受け入れることを奨励しているようにも解釈でき、これは組織の硬直化や、若手社員のモチベーション低下につながる恐れがあります。

さらに、「先輩たちが辿ってきた仕事の足跡を調べてみる」という提案は、過去の慣習や方法に縛られ、組織の革新や適応能力を低下させる可能性があります。急速に変化する現代のビジネス環境では、過去の経験が必ずしも現在や未来の問題解決に適用できるとは限りません。