社会保険労務士事務所を営むK氏は、創業以来「全てはお客様の安心・安全のため」を経営理念に掲げており、顧問先のお客様と価値を共有すること、杓子定規な考え方にならない対応を心がけています。
事務所にお客様や取引業者が来所した際、また、飛び込みの営業担当者に対しても社員一人ひとりの明るい声の挨拶が変わることはありません。
事務所に来所した営業担当者には、主にK氏の妻が接客を担当します。ある時、現時点では必要ない商品の説明で来所した営業担当のB氏に対しても、応接室に通して丁寧に接客をしたことがありました。
それから数年後、B氏は、会社経営者となって当時の丁寧な対応を思い出し、K氏の事務所を訪れて顧問契約を交わしたいと依頼したのです。
顧客である企業に対して、業務上のきめ細かいサポート体制はもちろんですが、来所されるすべての人への全社員をあげての丁寧な対応が、新たな顧客の獲得につながり、されなる企業の繁栄をもたらしているのです。
今日の心がけ◆受け入れる気持ちを大切にしましょう
出典:職場の教養7月号
感想
私たち一人ひとりの行動や態度は、会社全体のイメージや評価に大きな影響を与えることがあります。K氏の事務所のエピソードでは、K氏の妻が一人の営業担当者に対して丁寧に対応したことが、結果的に新たな顧客の獲得につながりました。
これは良い例ですが、逆もまたしかりで、誰かひとりの良くない言動・態度が会社の評価につながる場合もあります。顧客や取引先との接触はもちろん、移動中などであってもその瞬間が会社の顔となることを肝に銘じ、丁寧な対応を心がけるべきです。
個人の行動がどれだけ会社全体に影響を与えるかを理解し、常にプロフェッショナルであることを意識し、一つ一つの行動に責任を持ちたいと感じました。
否定的な感想
まず、K氏の事務所の対応が一貫して丁寧で親切であることは評価できますが、現時点で必要のない商品の説明を受けるために時間とリソースを費やすことは、効率的とは言えません。事務所のリソースは限られており、その時間を本当に必要とされる業務や顧客に充てるべきではないかと感じます。
また、丁寧に接客した結果が数年後に顧問契約に繋がったとはいえ、それが実際にどれだけの頻度で起こるのかは疑問です。一度の親切な対応が大きな契約に繋がることは稀であり、現実的には効果が見えにくい投資です。K氏の事務所のようにすべての来訪者に対して同様の対応を続けることは、コストと時間の観点から見ても実用的ではないかもしれません。
さらに、社員一人ひとりが明るい声で挨拶することが強調されていますが、顧客が求めているのは、丁寧さや親切さだけでなく、効率的で的確なサービスであることも多いでしょう。
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