ロゼッタストーンは、一七九九年にエジプトのロゼッタで発見された石碑です。
同一の文章が、古代エジプト文字のヒエログリフ、民衆文字、ギリシャ文字で記されており、未解読だったヒエログリフ解読の鍵になると期待されました。
しかし、ギリシャ文字は既に知られた文字であり、解読は時間の問題と思われたものの、それから二十年だっても部分的な解読にとどまりました。
多くの学者が頭を抱える中、ついにヒエログリフの決定的な特徴を発見し、一八二二年、体系的な解読を世に発表したのがフランスのシャンポリオンでした。
シャンポリオンは、少年時代から優れた観察力や独創性を示し、若くして多くの言語を習得すると共に、エジプトへの憧れを強めていったのです。
政治的な混乱から研究が度々中断するなど、様々な困難がありましたが、幼少からの夢を追い続け、努力を重ねてきたシャンポリオンは、ロゼッタストーンの発見を好機とし、ヒエログリフ解読という大発見を成し遂げました。
最後まであきらめない心が、学問に新たな知の扉を開くのです。
今日の心がけ◆粘り強く取り組みましょう
出典：職場の教養10月号
感想
ロゼッタストーンの解読を通じて示される「粘り強さ」の価値は、現代社会においても非常に重要であると感じます。
シャンポリオンが多くの困難にもかかわらず、最終的にヒエログリフの解読に成功したという話は、単なる歴史の一幕ではなく、現代の私たちにも多くの教訓を与えてくれます。
特に、彼の成功は単に知識の豊富さや天才的な才能だけに依存していたのではなく、むしろ彼の粘り強さと情熱が根底にあったことが強調されています。この点は、現代のビジネスや学問の世界にも通ずるものがあり、また希望でもあります。
問題に直面したとき、才能や環境のせいにしてすぐに諦めるのではなく、着実に前進し続けることが成功の鍵であるというメッセージを改めて強く感じます。
否定的な感想
の粘り強さを強調するだけでなく、時には柔軟性や他者との協力も重要な要素ではないでしょうか。
シャンポリオンが偉業を成し遂げたのは、多くの学者と情報を共有し、協力を得たことで、解読が最終的に可能になったのではないかと思います。したがって、「粘り強く取り組む」ことは確かに大切ですが、それと同時に、周囲からの助けを受け入れることや新しいアプローチに対して開かれた態度を持つことも、同じくらい重要なのではないかと感じます。
単に一人で努力を続けるだけでなく、チームワークや協力を活用することで、より大きな成果を得られる可能性があるという点も忘れてはいけないと思います。