Aさんは雨が嫌いでした。通勤時には傘をささなければならず、足元が濡れてしまって移動に時間がかかり、空気も湿っぽくなるからです。
そのため、出社後も気分がどんよりしてしまいがちでした。同僚にこの気分をこぼすと、意外にも同僚は雨が好きだと言います。
「雨の音を聞いていると心が落ち着く」というのがその理由でした。また、傍にいた別の同僚は、「雨の匂い」が好きだと語ってくれました。
Aさんは、そんなものかなと思いながら仕事を終えて家路につく道すがら、意識して雨音に耳を傾けていると、次第に心が静まっていくのを感じたのです。
「いい天気」や「好天」は、通常は晴れの日を指しますが、それ以来、Aさんは「雨もいいものだ」と思えるようになったと言います。
雨や風、暑さや寒さは、人によって好き嫌いがあるかもしれませんが、気象の変化は人の力でとうどうできるものではありません。
四季の移り変わりや気象の変化を楽しむ心の余裕を持ちたいものです。
今日の心がけ◆自然の変化を楽しみましょう
出典:職場の教養10月号
感想
最初は嫌いだと思っていたものも、周囲の意見や新しい視点を取り入れることで、徐々にその良さに気づけるようになったというのは、私たちの日常生活でもよくあることですよね。
何かを「こう」と決めつける前に、別の見方を試してみることの大切さを改めて感じました。
自然の変化に対してどう感じるかは人それぞれであり、無理に好きになる必要はないと思いますが、少しでも楽しみ方を見つけることができれば、日々の暮らしが豊かになるのではないでしょうか。Aさんのように、ちょっとした心の余裕を持って、自然の一部である雨や四季を受け入れられるようになると、毎日が少し違ったものに感じられるかもしれません。
否定的な感想
Aさんのように急に雨を好きになるのは少し理想化されすぎているように感じました。
確かに、雨の音や匂いを楽しむことはできるかもしれませんが、実際のところ、雨はやはり通勤や日常生活において多くの人にとって不便なものであることも事実です。
濡れることや交通の遅れ、湿気による不快感を完全に無視して、ただ「心の余裕を持てばいい」というのは、少し現実離れしている気がします。
また、この話では「自然の変化を楽しみましょう」と簡単に結論づけていますが、たとえば、仕事で忙しいときや体調が優れないときに、現実にはそれに対する対処や適応が必要な場面もあるという視点が欠けているように感じました。