仕事において人は、自分が培ってきた知識や技術をベースに、それに基づいた信念や考え方が確立されます。ただし、関係する相手の好みが大きく変わる場合、その変化に応じて自分自身のスタイルを調整することが求められます。
ベテラン美容師のMさんは、縁があってイギリスでカットの腕を試すことになりました。それまでのMさんは、日本の美容室で若手美容師の教育担当をしており、カットの腕にはかなりの自信がありました。
しかし、イギリスで初めてカットを終えた際、お客様あkら「これではダメ。私が望んでいるカットではない」という厳しい言葉が返ってきました。イギリスのお客様の好みは、日本人が望む髪型とはまったく異なっていたのです。
そこで、Mさんは改めて地元の美容学校に通い、一からイギリス人の好むカットを習得しました。その後、イギリス式のカットを身につけたMさんには、徐々に地元の得意客がつくようになり、今では自分のお店を持つまでになりました。
信念を持ちつつも、場と相手に応じて適切に対応することが大切なのです。
今日の心がけ◆場に応じて柔軟に対応しましょう
出典:職場の教養10月号
感想
この話を聞いて感じたのは、変化に対して柔軟に対応する力が成功のカギであるという点です。
Mさんは、日本で長年の経験と実績がありながら、自分のやり方に固執せず、地元のニーズに合わせて新たに学び直したことが、成功への大きな転換点になったのだと思います。
多くの人は、自分のやり方に自信を持っていると、変化を受け入れることに抵抗を感じることがあると思います。
しかし、Mさんのようにその時々の環境に合わせて柔軟に考え、対応することができる人こそが、長期的に成功を掴むのではないでしょうか。
この話は、単に技術や知識が大切だというだけでなく、それをどう適応させるかという姿勢が、どれだけ大事かを示していると感じました。
否定的な感想
この話は「柔軟に対応することの大切さ」を強調している一方で、Mさんが一度も自分の技術や信念に疑問を持たなかった点が気になります。
たしかに新しい環境に適応することは重要ですが、Mさんが自分のスタイルをすぐに変更し、すべてをイギリス式に合わせたというのは、少し極端にも感じられます。
Mさんは自分の日本での経験をもっと活かしつつ、現地の好みと融合させるというアプローチも取れたのではないでしょうか。
さらに、話の流れとしては、最初に失敗してから新しい学校に通い直すまでの過程が簡単に語られているため、その決断に至る苦悩や葛藤が描かれていない点も物足りないです。
挑戦や失敗から学ぶプロセスは、成功以上に重要な要素だと思いますが、その部分がこの話では省略されている印象があります。