「夢か現か幻か」という言い回しがありますが、「現」とは、現実や本心、正気などの意味で、意識がはっきりしている状態を指します。
「現を抜かす」とは、意識がはっきりしていない状態であることから、正気を失うほど、ある物事に心を奪われる、という意味となります。このフレーズは例えば、「ギャンブルに現を抜かす」というように用いられます。
興味があることや好きなことに熱中していたとき、気がついたらあっという間に時間が過ぎていた、という経験は誰にでもあることでしょう。
しかし、中には度が過ぎて、常にそのことに意識が奪われてしまい、仕事が疎かになってしまう人もいるかもしれません。
趣味や楽しみは、生活に潤いと安らぎを与えてくれるものですが、「過ぎたるは猶及ばざるがごとし」というように、節度をわきまえることが肝要です。
楽しいことほど適度なところで切り上げることができる、いわゆる「自己抑制力」を身につけることも、社会人の務めであると自覚したいものです。
今日の心がけ◆節度をもって趣味に向き合いましょう
出典:職場の教養10月号
感想
趣味や楽しみに没頭することは、確かに生活に潤いや喜びを与えてくれますが、それが行き過ぎてしまうと生活全体に悪影響を及ぼすこともあるという指摘は重要です。
特に、現代社会では、趣味やエンターテインメントが多様化しているため、気づかないうちに時間やエネルギーを浪費してしまうリスクが高まっているように思います。
私自身も、ついスマホで動画を見ることに夢中になって時間を忘れてしまうことがあり、その瞬間は楽しいものの、後で「もっと他のことに時間を使っていれば」と後悔することがあるため、この話の内容には深く納得しました。
節度を持って趣味に向き合うことで、楽しみを最大限に引き出しつつも、他の責任や義務をおろそかにしないというのは、社会人として確かに大切な姿勢だと思いました。
否定的な感想
趣味や楽しみに「節度」を求めることは理解できるものの、あまりにも抑制を強調しすぎているように感じます。
人生において楽しみやリフレッシュの時間は非常に重要であり、常に「自己抑制力」を意識しすぎると、その喜びや楽しみが制限されてしまい、逆にストレスを感じることもあるのではないでしょうか。
また、この話は趣味に没頭することをネガティブに捉えがちです。「現を抜かす」ほどの熱中が悪いこととされているようですが、実際にはそうした没頭が新しい発見や成長のきっかけとなることもあります。
時には何かに完全に没頭することで、リフレッシュできたり、深い満足感を得たりすることがあるのに、それを「度が過ぎる」として抑え込む考え方は少し窮屈だと感じました。