2024年10月26日(土) すれ違い

M氏は夕食後の食卓に食器が置いたままになっているのを見て、今日は自分が片付けようと思い、食器を洗い場に運んで洗い始めました。すると妻が近寄ってきて、「私がやるから大丈夫よ」と言われたのです。

妻から強い口調で言われたM氏は、釈然としない気持ちになり、「分かった。もうやらないよ」と強く言い返してしまいました。

なぜ妻と言い争いになったのか、M氏は自室に戻って考えました。そして、妻の言葉に過剰に反応してしまったのは、無意識に感謝の言葉を求めていたからだと気づいたのです。

M氏は、何も言わずに家事に取り組んでいる妻に感謝の気持ちが足りなかったと思い至りました。これからは、自分にできることは進んで取り組もうと決意し、今では妻からダメ出しされながらも楽しんで家事を行なっています。

私たちは「してもらったこと」より「してあげたこと」に心が向きがちです。お互いに感謝の心をもって行動し、より良い関係を築いていきたいものです。

今日の心がけ◆相手のために喜んで働きましょう

出典:職場の教養10月号

感想

このエピソードは、日常の些細な家族のやり取りを通じて、相手への配慮や感謝の重要性を改めて感じさせてくれます。

M氏が妻の「大丈夫よ」という言葉に対して不満を抱いたのは、自分の善意が受け入れられなかったように感じたからですが、その背後には無意識に感謝の言葉を求めていたという気づきがありました。

このような自己反省ができるM氏の姿勢は素晴らしいと感じます。日常の中での小さな衝突が、互いの心の成長につながることを示している点が感動的です。

また、M氏が自ら家事に積極的に関わる姿勢に変わったことは、夫婦関係をより良くするための重要なステップだと思います。

家庭内の仕事を共有することは、パートナーシップを強化し、相互理解を深める機会になります。互いの努力を理解し合い、感謝の気持ちを持つことは、家庭の平和を保つために欠かせない要素です。

小さな出来事を通じて、より良い関係を築こうとする意識が見えるこの話は、多くの人にとっての良い教訓になります。

否定的な感想

M氏の最初の行動には自己満足的な側面も感じられます。

彼が食器を片付けたのは確かに善意からの行動ですが、妻が「私がやる」と言った瞬間にすぐに不満を抱くというのは、見方を変えれば自己承認欲求の強さの表れとも取れます。

相手のために何かをするのであれば、それに対する見返りや感謝を求めるべきではないとも言えます。結果的にM氏が反発的な言葉を返してしまったのは、相手の気持ちを考えずに自分の感情に固執してしまったからです。

また、妻の「大丈夫」という言葉の背後にある意図が読み取れなかった点にも課題があります。

妻はもしかしたら、自分の家事スキルを夫に認めてほしいという思いがあったのかもしれません。この話では、M氏が最終的に自分の態度を改善する決意をすることで関係が良好に向かっていますが、そもそもなぜ言い争いが起きたのか、妻の視点からの理解が不足しているようにも感じます。

相手の気持ちにより深く寄り添い、互いの行動の背景を理解する努力が求められると感じました。