2024年11月10日(日) 竹炭で大地再生

全国的に竹林が放置され、手入れの行き届かない里山が増加しています。

竹は春先になると、たけのこ掘りを楽しめるほか、箸や箒など様々な日用品や工芸品としても加工され、日常生活に役立ってきました。

しかし、繁殖力が旺盛な竹は、放置されると至る所から芽を出し、太陽の光を遮って周囲の木々を枯らしながら、猛スピードで増えていきます。

その結果、大地は保水力を失い、土砂崩れや洪水被害をもたらします。また、山の動物たちは食べ物を失い、生態系が崩れることで、人間の生活圏に鹿、猪、熊といった野生動物が出没することが年々増えてきました。

こうした里山の竹林を切り出して竹炭を作り、大地に還して土壌を改善させる活動を展開しているのが、千葉県いすみ市のNPO法人いすみ竹炭研究会です。

代表の西澤真実氏は「私たちの命は地球の恩恵に成り立ち、自然と生き物たちの循環によって成り立っている」と言います。一人ひとりが生態系の循環の一部であることを自覚し、自然と共生できる環境作りについて考えたいものです。

今日の心がけ◆生態系の循環を自覚しましょう

出典:職場の教養11月号

感想

里山や竹林の現状、そしてそれを改善しようとする人々の活動を知ることで、自然との共生の重要性を再認識しました。

竹林が手入れされずに放置されると、生態系に悪影響を与えるだけでなく、土砂崩れや洪水といった人間の生活にも直接のリスクが伴うことは驚くべき現実です。

竹はもともと私たちの日用品や工芸品に欠かせない素材であり、自然の恵みそのものでした。しかし、その繁殖力の強さが生態系に深刻な問題を引き起こすとなると、自然の恩恵を持続的に享受するためには、人間の管理が不可欠であると痛感させられます。

特に、いすみ竹炭研究会が竹を切り出し、竹炭として土壌改良に活用している取り組みには感銘を受けました。

無秩序に増えた竹を利用しつつ、生態系と大地の回復に繋がる活動は、まさに循環型の持続可能なアプローチです。

西澤氏の言葉にあるように、「地球の恩恵」への理解と感謝を持つこと、そして自然と生き物の循環に目を向けることが、こうした活動をさらに広げるための大切な第一歩だと思います。

今後も、自然と人間の調和を意識した里山管理や竹林の利用が進んでいけば、豊かな自然環境が守られるだけでなく、地域の人々にも恩恵をもたらすことにつながるでしょう。

否定的な感想

竹林の放置が引き起こす影響と、それを防ぐための活動はとても重要ですが、現実にはこうした取り組みが地域全体に広がるにはまだ課題が多いと感じます。

里山の管理には多くの労力と時間がかかるため、NPOやボランティアに依存するだけでは限界があるでしょう。

竹炭の土壌改良は一つの素晴らしい解決策ですが、これを全国的に展開するには、さらなる資金援助や地域住民の協力が欠かせません。

こうした活動が一部の人々に委ねられている現状では、手入れが行き届かない竹林が依然として増え続けているのも無理のないことかもしれません。