Aさんは朝食の際、外食ではなく弁当派です。ある日、前夜の天ぷらの残りをご飯にのせて「天丼弁当」にして通勤しました。
出社後、弁当を取り出そうと鞄を開けたところ、思わず「アッ」と叫んでしまいました。残念なことに、天丼のタレが漏れてしまっていたのです。
辛うじて弁当は食べられる状態でしたが、天丼のタレが染みついた鞄を拭きとらなければなりません。Aさんは、久しぶりに鞄の中身を全部出してみました。
すると、普段使っていない物がたくさん詰め込まれていたことに驚きました。例えば、使っていないメモ帳や何本もあるペンといった具合です。
不要な物を出してみると、鞄が随分軽くなり、メモ帳やペンも本来しまうべき机の引き出しに戻して、活用できるようになりました。
汚れた鞄を掃除して整理することで、鞄が軽くなり容量も増え、眠っていた多くの物たちが息を吹き返したように感じられたといいます。
時には、鞄や机の中身を取り出して整理してみてはいかがでしょうか。
今日の心がけ◆物を生かして使いましょう
出典:職場の教養11月号
感想
このエピソードは、日常生活の小さな出来事から得られる大きな学びを見事に示しており、とても共感を覚えました。
特に「天丼のタレが漏れた」という一見ネガティブな出来事が、結果的には鞄の中身を見直すきっかけになり、物の整理整頓につながった点が素晴らしいと思います。
このように、予期せぬアクシデントを「整理のチャンス」として捉えるAさんの視点にはポジティブさを感じます。
また、普段見落としがちな「鞄の中」というテーマに焦点を当てたことで、日常生活における「持ち物を生かす」という意識を改めて思い出させてくれました。
特に、「不要な物を取り除き、本来の場所に戻す」というプロセスを通じて物が新たな価値を得たように感じられるという部分がとても印象的です。
これは、整理整頓が単に片付けるだけでなく、心と生活の質を向上させる行為であることを教えてくれる良い例だと感じました。
否定的な感想
「不要な物を出して整理した」という結果は素晴らしいのですが、整理整頓をするきっかけが「天丼のタレ漏れ」という突発的なハプニングである点に依存しているのも気になります。
普段から整理を心がける習慣があれば、そもそもこういったトラブルが未然に防げたのではないでしょうか。
そのため、エピソード全体が「トラブルから学ぶ」教訓に偏りすぎていて、日常的な整理整頓の重要性をもう少し深掘りしてほしいと感じました。
「物を生かして使いましょう」という今日の心がけは、物を大切にする視点を与えてくれる良い教えですが、そのためには普段からの意識的な取り組みが必要だと改めて考えさせられました。