本日は囲碁の日です。囲碁の発祥は約四千年前の中国とされていますが、インドやチベットという説もあります。
古くから中国では、君子の嗜みとして「琴棋書画」を幼い頃から習わせる風習がありました。琴は「音楽」、棋は「囲碁」、書は「書道」、画は「絵画」を指し、立派な人物になるために必要なものの一つに囲碁があったようです。
日本への伝来は、奈良時代に遣唐使が持ち帰ったという説があります。また、一九九〇年には株式会社ぐるなびの創業者である滝久雄氏が、より多くの人に囲碁を親しんでもらうため、二対二で対局する「ペア碁」を創案しました。
ペア碁は原則として男女でペアを組み交互に碁を打ちますが、味方同士の相談は禁止されています。現在、世界七十五カ国で開催され、広がりを見せています。
長い歴史があり、ルールが厳然と定まっているものはそれを変えてはならない風潮がありますが、柔軟な発想によって新境地を切り開くことができるものです。まずは新たな視点で物事を見つめてみましょう。
今日の心がけ◆物事を柔軟に考えましょう
出典:職場の教養1月号
感想
囲碁が古代から「君子の嗜み」とされ、人間形成に重要な要素と考えられていた歴史を知ることで、文化や教育における囲碁の深い意義を改めて感じました。
音楽、書道、絵画と並んで囲碁が位置づけられていたことは、その知的要素や創造性がいかに重視されていたかを物語っています。
また、これらの伝統的な価値が現代にも影響を与え続けていることは、非常に素晴らしいと感じます。
伝統を守りながらも新たな形で進化する姿は、文化の強さと柔軟性を象徴しています。
さらに、「ペア碁」の創案は特に魅力的です。
囲碁という知的な競技が、ペアという形でより多くの人々を巻き込み、交流を促進するというアイデアは感動的です。
性別や国籍を越えて楽しむことができる仕組みは、囲碁が単なる競技にとどまらず、コミュニケーションのツールとしても活用されている証拠です。
伝統的なルールを守りつつ、新たな視点で物事を見つめ直すことで新境地を開くという精神は、現代社会にも多くの示唆を与えています。
否定的な感想
囲碁のような長い歴史を持つ文化的活動は、その敷居の高さが時に新たな挑戦者を遠ざける要因になっていると感じます。
特に、囲碁が「君子の嗜み」とされていた背景は、一部の人にとっては特権的な文化と捉えられ、現代の多様性にそぐわないと感じる場合もあるでしょう。
もっとオープンで親しみやすいイメージを作り上げる努力が求められるかもしれません。
また、ペア碁のような新しい形式は画期的であるものの、その普及に伴って一部の伝統主義者からの反発も考えられます。
相談禁止というルールは公平性を保つために必要でしょうが、初心者にとってはその制限がストレスになる可能性もあります。
柔軟な発想と伝統をどのようにバランスさせるかは、今後も議論の余地があると感じました。
全体として、柔軟な発想を推奨するメッセージは共感できますが、歴史や文化の重みが強調されるほど、その新しい可能性を探るためには一層の努力が必要だと考えます。