2025年2月13日(木) 名乗り

名乗り

初対面の人とコミュニケーションを取る際には、ほとんどの場合、「自己紹介」を行ないます。氏名や出身地、仕事の内容、趣味、特技、好きな食べ物など、状況によって伝える内容が変わりますが、その中で必ず伝えるのが「氏名」です。

現在は当たり前の行為ですが、江戸時代では武士などの特権階級や一部の庶民だけが苗字を名乗ることができました。

明治時代に入り、一八七〇年九月十九日に「平民苗字許可令(許容令)」が出され、庶民でも苗字を名乗ることが許可されました。

その後、一八七五年二月十三日には「平民苗字必称義務令」が出され、苗字を名乗ることが義務付けられました。この日は、「苗字制定記念日」とされ、今年で一五〇年を迎えます。

苗字の種類は数え方によって異なり、正確な数の把握は難しく、十万~三十万種類あるといわれています。自身の苗字の由来を知らない人は、親や親戚に聞いてみるのもよいでしょう。改めて自身の名前に愛着が湧いてくるかもしれません。

今日の心がけ◆指名の由来を調べてみましょう

出典:職場の教養2月号

感想

苗字が当たり前のように存在する現代において、その歴史的背景を改めて知ることは非常に意義深いと感じました。

普段何気なく名乗っている苗字ですが、江戸時代までは庶民には許されていなかったという事実を考えると、苗字を持つことが一種の権利であり、特権であったことが分かります。

明治時代に入ってから、まずは「許可」という形で苗字を持つことが認められ、数年後には「義務」となったという流れも興味深いです。

最初から義務化されていたわけではなく、まずは選択の自由が与えられたという点に、日本の社会の変化の緩やかさを感じます。

また、苗字の種類が十万から三十万もあるというのは驚きました。日常的に目にする苗字の数は限られており、特に多い「佐藤」「鈴木」「高橋」などの存在感が大きいですが、その裏には無数の珍しい苗字が存在しているのだと思うと、苗字そのものが文化や地域性を反映していることが分かります。

自分の苗字の由来を調べることで、自分のルーツに思いを馳せるきっかけになるのも良いですね。

「今日の心がけ」として、自分の苗字の由来を調べるという提案もとても魅力的です。

現代ではインターネットでも苗字の由来を調べることができますし、家族や親戚に話を聞くことで、先祖の話や地域の歴史を知るきっかけにもなるでしょう。

苗字は単なる記号ではなく、自分のアイデンティティの一部であり、そうした意識を持つことで、より自分の名前に誇りを持てるようになるのではないでしょうか。

否定的な感想

この話は非常に興味深いものの、「苗字を持つことが義務化された」という点については、少し複雑な思いを抱きました。

本来、名前や苗字は個人を識別するための手段であり、ある程度の自由があっても良いはずです。

しかし、明治時代の「平民苗字必称義務令」では、庶民に強制的に苗字を名乗らせる形になったというのは、国家による個人の識別管理の側面も感じられます。苗

字を持つことが「権利」から「義務」へと変わった背景には、政府の統治や戸籍制度の整備といった側面があったのでしょうが、それが本当に庶民のためだったのかという点には疑問が残ります。

また、苗字の種類が十万から三十万もあるというのは面白い事実ですが、実際には現代社会で使われている苗字の多様性は減少傾向にあるとも言われています。

珍しい苗字を持つ人が結婚などで一般的な苗字に変えたり、戦後の戸籍制度の変化によって統一されてしまったものもあります。

つまり、昔の方がもっと多くの個性的な苗字があった可能性が高く、それが時代とともに失われていったと考えると、少し寂しさも感じます。

「今日の心がけ」として、苗字の由来を調べることは意義深いですが、それだけでなく、もし可能ならばその苗字が今後も受け継がれていくことの大切さについても考えるべきではないでしょうか。

特に、珍しい苗字を持つ人にとっては、自分の苗字が今後も存続できるかどうかという問題にもつながります。

単に「ルーツを知る」だけでなく、「どのように次世代に伝えていくか」を考える機会としても、この話を捉えるとより深い学びになるのではないかと思いました。