手洗い器の不具合
Kさんの職場のトイレでは、数日前から自動手洗い器の水の出が悪くなっていました。トイレを利用する社員たちは、「最近、手洗いの水の出が悪い」「センサーが壊れているのでは」と使いづらさを漏らしていました。
そんなある日、長期出張から帰ってきた先輩が、自動手洗い器の不調に気づくと、誰に指示されたわけでもなく施設担当部署へ電話し、この件を伝えました。
すると、すぐに担当者が業者を手配し、その日のうちに修理が終わり、いつも通り快適に使用できるようになったのです。
その様子を見ていたKさんは、「自身が壊したわけでもないのに、先輩は改善に向けてすぐに動いてくれた。それに比べて自分は、不具合に気づいても〈誰かがやるだろう〉と、見て見ぬふりをしていた」と反省しました。
決められた仕事だけでなく、誰の仕事でもないプラスアルファの働きをする人によって、私たちの仕事や職場は支えられています。
皆が気持ちよく過ごせるように、周囲に気を配りたいものです。
今日の心がけ◆プラスアルファの仕事にも取り組みましょう
出典:職場の教養2月号
感想
この話は、日常の小さな気づきを行動に移すことの大切さを教えてくれます。
先輩の行動は、単に手洗い器を直すということにとどまらず、「気づいたことを放置せず、自分が動く」という姿勢そのものが素晴らしいと感じました。
特に、先輩は長期出張から戻ってすぐの状況でありながら、職場の環境改善のために率先して動いた点が印象的です。
おそらく、彼にとっては「誰かの役に立つ行動をする」ことが自然な習慣となっているのでしょう。
一方で、この話を読んでKさんのように「自分は何もしていなかった」と反省する人は多いのではないでしょうか。
多くの人が「自分がやらなくても誰かがやる」と思いがちですが、その「誰か」になれるかどうかが、職場や社会をより良くするカギになります。
目の前の業務だけでなく、環境を整えることも仕事の一部だと考えられる人が増えれば、職場全体の雰囲気も変わっていくはずです。
「プラスアルファの仕事」という言葉も印象的でした。
自分の担当業務だけをこなすのではなく、周囲の環境や困っている人にも目を向けることができる人は、どんな職場でも信頼される存在になるでしょう。
日々のちょっとした行動が、結果的に職場全体の快適さや生産性向上につながることを改めて感じました。
否定的な感想
この話の内容には共感できる部分が多いですが、気になる点もあります。
それは、「プラスアルファの仕事」が当たり前になりすぎると、それが暗黙の義務になってしまう可能性があることです。
例えば、「気づいた人がやるべき」という意識が広がりすぎると、本来の業務とは関係のないことまで個人の責任になってしまい、結果的に一部の人に負担が偏ることがあります。
また、「誰の仕事でもないこと」を積極的にやる人がいると、逆に「やらない人」に対する無言の圧力が生まれることもあります。
「先輩はすぐに行動したのに、自分は何もしなかった」とKさんが反省するのは悪いことではありませんが、誰もが同じように動けるわけではありません。
性格的に気づいてもすぐに行動できない人や、他の業務で手一杯の人もいるはずです。
そうした人々に対して、「見て見ぬふりをしている」と断じてしまうのは、少し厳しすぎるようにも感じます。
また、職場環境の改善は本来、個人の善意に頼るのではなく、組織全体で仕組みとして機能すべきものです。
例えば、「不具合を見つけたら報告する」というルールを明確にし、誰もが負担なく行動できる仕組みを整える方が、長期的に見て職場にとって良いのではないでしょうか。
「誰かがやるだろう」ではなく、気づいた人がすぐに報告できる文化を作ることこそ、根本的な解決になると思います。