2025年3月10日(月) 監督からの一言

監督からの一言

五十代のA氏は、中学、高校、大学と学生時代を通じて野球に打ち込んでいました。 毎年、日本のプロ野球やアメリカのメジャーリーグの開幕を心待ちにし、 「今シーズンはどんなドラマが展開されるのだろう」と胸を躍らせています。

選手としてプレーしなくなってから三十年以上経過しましたが、 A氏には今でも忘れられない言葉があります。 それは、中学時代の野球部の監督の一言です。

当時、主将を務めていたA氏が公式戦で敗戦濃厚な状況にあったとき、 〈今日は負けだな〉と諦めかけていました。 すると、監督が厳しい表情で「試合は終わっていないぞ。お前が諦めてどうするんだ」と嫉妬激励したのです。

結局、試合には敗れましたが、悔しがる仲間に寄り添い励ましていると、 監督から「今回の経験を無駄にするなよ」と諭されたのでした。

現在、会社内で中堅となったA氏は、 仕事で苦境に立たされると、監督の言葉を思い出し憤起しています。 人生の大きな勝利に向けて、職場人としてのA氏のプレーと挑戦に終わりはないのです。

今日の心がけ◆逆行を前向きに乗り越えましょう

出典:職場の教養3月号

感想

この話には、スポーツを通じて学ぶ人生の教訓が凝縮されていると感じました。

特に「試合は終わっていないぞ。お前が諦めてどうするんだ」という監督の言葉は、単なるスポーツの指導を超えて、人生全般に通じる大切なメッセージだと思います。

スポーツの世界では、どんなに劣勢でも最後まで諦めないことで奇跡的な逆転劇が生まれることがあります。

それと同じように、仕事や人生においても、途中で諦めるのか、最後まで足掻くのかで結果が大きく変わることがあるのではないでしょうか。

また、「今回の経験を無駄にするなよ」という言葉も深い意味を持っています。

負けたこと自体は変えられませんが、その経験をどう生かすかは自分次第です。

これはビジネスの世界でも同じことで、失敗から何を学び、次にどう活かすかが重要になってきます。

A氏が三十年以上経っても監督の言葉を忘れず、仕事においても励みにしているというのは、まさにその教訓を実践している証拠でしょう。

さらに、野球という個人の思い出が、人生の大きな指針となり続けていることに感銘を受けました。

学生時代に受けた影響が、社会人になってからも生き続けるというのは素晴らしいことです。

スポーツの経験が単なる思い出で終わるのではなく、人生の逆境を乗り越える糧となることを示しており、多くの人が共感できる内容だと思いました。

今日の心がけ「逆境を前向きに乗り越えましょう」は、まさにこの話の本質を突いており、日々の生活で意識したい言葉だと感じます。

否定的な感想

この話は確かに感動的ですが、スポーツの精神論をそのままビジネスや人生に適用することには、少し疑問も感じました。

監督の言葉は「最後まで諦めるな」という熱いメッセージですが、現実の仕事や人生では「無理なものは無理」と冷静に判断し、撤退することも重要です。

例えば、赤字続きの事業を「最後まで諦めるな」と続けた結果、さらに大きな損失を生むこともあります。

スポーツでは「最後まで足掻く」ことが美徳になりやすいですが、ビジネスの世界では時には「見切りをつける勇気」も必要なのではないでしょうか。

また、「逆境を前向きに乗り越えましょう」というメッセージは、ポジティブに聞こえる一方で、逆境に苦しむ人にとってはプレッシャーになりかねません。

例えば、精神的に追い詰められている人に対して「もっと頑張れ」と言うのは、かえって負担をかけることになります。

A氏のように、過去の経験を励みにできる人もいれば、逆境に対して一度立ち止まることが必要な人もいます。

単純に「乗り越えることが正しい」とするのではなく、時には立ち止まったり、別の道を探すことも選択肢として認める余地があってもいいのではないでしょうか。

さらに、A氏の話は個人的な成功談としては魅力的ですが、誰にでも当てはまるわけではありません。

全員がスポーツの経験を持っているわけではなく、また全員が同じように監督の言葉に影響を受けるわけでもありません。

こうした話を一般化しすぎると、「苦しい時は根性で乗り越えるべきだ」という誤ったメッセージになりかねない点には注意が必要だと感じました。