やる気の源
「経営の神様」の異名を持つ松下幸之助氏は、 現在のパナソニックホールディングスを一台で築き上げました。 さらに、出版事業としてPHP研究所の設立、 晩年には政治家育成のための松下政経塾を立ち上げたことでも有名です。
松下氏が九十歳を過ぎたころ、当時の長寿記録は百二十四歳でしたが、 氏は「百三十歳まで生きてみよか。まだまだ大きなことが出来る」と語ったといわれています。
その後、九十四歳で亡くなりましたが、「生命の尽きる瞬間までなすべきことをなしつつ生きていきたい」という言葉を体現するような人生を送りました。
このような人生を送ることができた要因として、 ①常に目標を掲げる ②挑戦する心を忘れない ③困難に負けずにやり続ける ④自己効力感を強く持つこと、などが挙げられるのではないでしょうか。
今、自分が成すべきことは何なのか、果敢に物事にチャレンジしているか、 諦めてはいないかなど、冷静に振り返ってみたいものです。
今日の心がけ◆自身の強みを知りましょう
出典:職場の教養3月号
感想
松下幸之助氏の言葉や生き様からは、人生における「やる気」の根源がひしひしと伝わってきます。
特に「百三十歳まで生きてみよか」という言葉には、単なる長寿を目指すのではなく、「生きる意味=成すべきことを持ち続ける」ことの大切さが込められていて、深く感動しました。
年齢に関係なく、自分の中に挑戦心を燃やし続ける姿勢は、時間に流されがちな私たちにとって強いインスピレーションになります。
また、「今日の心がけ」にある「自身の強みを知る」という視点は、まさに松下氏の姿勢と重なります。
自分の強みとは、他人と比較して優れていることではなく、自分が「なすべきこと」を見つけ、それに向かって動き続ける中で育まれていくものだと感じました。
目標を持ち、挑戦し続ける中でこそ、人は自己効力感を深め、自分自身を信じる力を得ていくのでしょう。
人生の長さではなく、その過程でどれだけ意味ある行動を積み重ねられるかが問われることを、この話は静かに、けれど力強く伝えてくれていると思います。
否定的な感想
松下幸之助氏のような偉大な人物の生き方が、すべての人にとって「やる気の理想形」として提示されることには、ある種のプレッシャーも感じます。
「百三十歳まで生きてみよう」と語るほどの意志力や行動力は、確かに称賛に値しますが、その基準を自分に当てはめてしまうと、「自分はまだまだ足りない」「十分に努力していない」と感じてしまう危うさもあります。
人によっては、目標が見つからない時期や、挑戦する余力すら持てないような環境にいることもあります。
そうした人々にとって、「やる気の源」を偉人の例だけに求めるのは、むしろ自分の現実と大きな乖離を感じさせ、自己否定に繋がることもあるのではないでしょうか。
努力や自己効力感は大切ですが、それらが内発的に育つためには、自分のペースや状況を受け入れることも同じくらい重要だと思います。
「成すべきこと」に縛られすぎず、時には何もしない時間や、ただ生きること自体を肯定する余白もまた、現代の私たちには必要ではないかと感じました。