ウィンザー効果
ある事柄について当事者が発信する情報よりも、他者を介して発信された情報の方が、信頼を得やすいとする心理を「ウィンザー効果」と呼びます。
商品を販売する企業の宣伝広告よりも、利害関係のない、実際に商品を使った消費者の感想や評価に信憑性を感じる場合が多いのではないでしょうか。
街頭インタビューや消費者アンケート、通信販売の口コミなどによって、ヒット商品となった事例は多々あります。 この効果を期待して、SNSなどで活躍するインフルエンサーに商品やサービスを提供するケースも増えています。
社内においても、上司から「今日の会議の発表良かった」と、直接言われるより、「君の説明は分かりやすかった、と上司が言っていたよ」と伝えられた方が、褒められた社員の喜びは大きいかもしれません。
人の長所は積極的に周囲にも伝え、誰かの良い評判を耳にしたら、「〇〇さんがあなたを評価していたよ」と、本人に伝えてみてはいかがでしょうか。
そうすることで、社内の融和が進み、仕事へのやる気も増進することでしょう。
今日の心がけ◆褒め方を工夫してみましょう
出典:職場の教養3月号
感想
「ウィンザー効果」という言葉を通じて、人の心の繊細な動きを言語化したこの話にはとても納得感がありました。
直接的な称賛よりも、第三者を通した間接的な評価の方が、なぜか胸に響く——その感覚は、誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。
それはきっと、人は「誰かがわざわざ自分のことを良く言ってくれた」という事実に、愛情や信頼を感じるからだと思います。
また、この効果を社内で活用するという発想は、組織の雰囲気をより良くするための具体的で実践的なヒントだと感じました。
単なるお世辞や作為的な称賛ではなく、自然な形での「良い噂」が循環することで、人間関係の摩擦が和らぎ、相手への敬意も深まるのではないでしょうか。
言葉には力があり、それが間接的に届くとき、むしろ本質が際立つこともある。そんなことを改めて実感させられました。
「今日の心がけ」のように、褒め方を工夫するという意識は、周囲との関係性だけでなく、自分自身の観察力や伝え方のセンスを磨くことにもつながる。
そう考えると、これは単なるコミュニケーション術ではなく、生き方そのものに深く関わる姿勢だと感じました。
否定的な感想
ウィンザー効果を前提としたコミュニケーションが、行き過ぎると裏表のある関係性を助長してしまう危険性もあるように思います。
間接的な称賛は確かに嬉しいものですが、それが常態化すると「本音は直接言わない」「評価は裏で聞くもの」という風土になりかねません。
それでは、率直なコミュニケーションや信頼の構築が難しくなるのではと懸念します。
また、SNS時代の文脈では、この効果がしばしば「演出された口コミ」や「仕組まれた評判」に悪用されている面も見逃せません。
インフルエンサーを介したマーケティングが活発になる一方で、真偽不明な情報が溢れ、本当に信頼できる意見を見極めることが難しくなっています。
つまり、ウィンザー効果は非常に有効な心理作用であるがゆえに、それが逆手に取られるリスクも高いのです。
社内においても、「〇〇さんがこう言ってたよ」と伝える言葉が、事実でない場合や過剰に脚色されていた場合、それは人間関係のトラブルを生む要因にもなり得ます。
だからこそ、ウィンザー効果を活用する際には、「事実に基づいた真摯な言葉を使う」という基本を決して忘れてはいけないと思いました。