心を連れ戻す
「心残り」や「後ろ髪を引かれる」といった言葉は、後悔や未練が残る状態を表します。 こうした感情は誰もが経験するものでしょう。
失敗や行動を起こさなかったことに対する後悔や未練は、 その人の心を支配することがあります。
人には「心」があり、その動きによって感情が生じます。 強い感情に囚われていると、思考や行動が鈍り、「心ここにあらず」といった状態になりがちです。 こうした状態が、大小のミスの原因となることがあります。
うっかり確認作業を怠ったり、必要な工程を省いたりすると、大きな損害や人命に関わる重大な事故を引き起こしかねません。
例えば家庭でも、夫婦喧嘩や子どもを厳しく叱った後、そのことが心に残り、出社後も思考や行動に影響を及ぼすことがあります。
こうした状態を避けるために、朝礼時に〈ここからは仕事に集中する〉と心を切り替えましょう。 心を今ある業務に連れ戻し、集中していきたいものです。
今日の心がけ◆仕事に集中できるよう切り替えましょう
出典:職場の教養3月号
感想
「心を連れ戻す」という表現には、単なる気持ちの切り替え以上の深い意味が込められていて、とても印象的でした。
心は思った以上に自由で、昨日の失敗や言い争い、あるいは言いそびれた言葉など、過去にさまようことが多いものです。
それを無理に「忘れよう」とするのではなく、「今に戻す」「連れ戻す」と考えることで、どこか優しさと意志の強さが同時に感じられました。
仕事や生活の中で「心ここにあらず」になることは誰にでもありますが、特に重大な責任を伴う場面では、その一瞬の心の揺らぎが大きなミスに繋がる可能性があります。
この話は、感情を否定せずに受け止めつつも、「今、自分がここでなすべきこと」に立ち返る大切さを教えてくれます。
「今日の心がけ」にあるように、自分でスイッチを入れ直す意識を持つことは、単なる集中力アップだけでなく、心の健康を守る行動でもあると感じました。
日々の業務をこなす中で、自分の心と対話し、「今ここにいる」ことを確認する。
それだけで、随分と人生は前向きに、豊かになるのではないでしょうか。
否定的な感想
「心を切り替える」という発想が、時に「感情を無視すること」や「気持ちに蓋をすること」と混同されがちなのが気になります。
例えば、家族との衝突や大きな後悔といった出来事は、簡単に気持ちを切り替えられるようなものではなく、むしろその感情にしっかり向き合うことこそが、長期的には心の整理や回復につながるのではないかとも思います。
また、仕事への集中を最優先するあまり、人間らしい揺れや弱さを排除してしまう風潮にも注意が必要です。
心が過去に引きずられているとき、それを「戻せていない自分が悪い」と感じてしまえば、ますます自己否定やストレスを生む原因になりかねません。
切り替えは確かに重要ですが、それが「無理に今に引き戻す」ことになっていないか。
むしろ、「今はまだ切り替えられない」と認めることも、自分を大切にする一つの方法だと思います。
心の動きは繊細だからこそ、そこに対しても柔軟でありたい。そんなふうにも感じさせられる話でした。