2025年4月22日(火) 後輩の提案

後輩の提案

ある日、Sさんが数人の後輩を集めて業務の手法を説明していたところ、入社員のOさんが「このようなやり方もあるのではないでしょうか」と別の方法を提案してきました。

Sさんは〈せっかく丁寧に説明しているのに反発するとは何事だ〉と頭に血が上り、「今までのやり方があるのだから、言われた通りにやってください」と0さんの提案を却下しました。

しかし後日、その提案は荒削りではあるものの、Sさんが今まで考えたこともなかった斬新なもので、業務改善につながりそうだと気がつきました。

誰しも慣れ親しんだ方法がやりやすいものですが、後輩の提案によって硬直化した職場やマンネリ化した業務を打破できることもあるでしょう。

また、後輩の意見に耳を傾けることは、本人の成長や職場内のコミュニケーションの促進にもつながります。経験不足のため採用に至らない提案も多々あるでしょうが、後輩が意見を言いやすい職場の雰囲気を作りたいものです。

今日の心がけ◆後輩の意見に耳を傾けましょう

出典:職場の教養4月号

感想

この話には、とても大切な教訓が詰まっていると感じました。

まず、Oさんのように新人であっても自分の意見を持ち、それを発言する姿勢は素晴らしいですし、そこに価値があると思います。

実際にSさんが後からその提案の斬新さに気づいたことからも、立場に関係なく新しい視点が職場に刺激を与えることは明らかです。

こういった変化のきっかけは、業務改善やチームの活性化につながる可能性を大いに秘めています。

また、後になってでもSさんが自分の感情や判断を見直し、Oさんの提案の価値を認めたという点も重要です。

自分の間違いを素直に認められること、そして過去の思い込みに縛られずに柔軟に考える力は、職場において非常に貴重だと思います。

「今日の心がけ」のように、後輩の意見に耳を傾ける姿勢を意識することは、単なるマネジメントスキルの一部ではなく、人としての成熟にもつながるものだと思いました。

職場が年齢や経験に関係なく、お互いにリスペクトし合える場であれば、きっと誰もが自信を持って働けるはずです。

否定的な感想

Sさんの初動対応にはやはり問題を感じました。

Oさんの意見が「反発」と受け取られてしまったのは、Sさんの中に「後輩は上司の言うことを黙って聞くべきだ」という固定観念があったからではないでしょうか。

そのような空気は、意見を言いにくい職場環境を作り出し、イノベーションや改善の芽を自ら潰してしまうことになります。

また、後から「いいアイディアだった」と気づいたとはいえ、それをOさん本人にどのように伝えたのかが気になります。

気づいたことを自分の中で終わらせてしまえば、Oさんには単に否定されたという苦い経験だけが残るかもしれません。

それは、新人の発言意欲を大きく削ぐ結果にもなりかねません。

「耳を傾ける」ことはただ黙って聞くという意味ではなく、相手の背景や意図を汲み取る心の余裕と、対話を通じて関係性を築く姿勢が求められると思います。

そうでなければ、いくら提案を受け入れても、その場しのぎの改善で終わってしまい、組織全体の文化は変わらないのではないでしょうか。