情報を正しく収集する
仕事をするうえでは、情報を正確に収集することが重要です。情報を誤って認識してしまうと、トラブルやクレームが発生して、不要な作業に時間がかかり、他の業務に支障をきたしてしまいます。
ある日、新入社員のAさんは上司から「十八日の十四時に会議で使う資料を十六部印刷してほしい」と頼まれました。しかし、Aさんは「十六時に十四部」と勘違いしてしまい、当日の会議の進行に支障をきたしてしまったのです。
情報を正確に収集する方法の一つにメモ帳の活用があります。メモ帳は、いつでもどこでもすぐに書けるようにポケットなどに準備しておくことが大切です。
メモを取る時のポイントは、自分だけが理解できる内容で書かないで、他人が見ても少しの解説でわかるように書くことです。見返した際にメモの内容がわからない事態を防げるだけでなく、すぐに正しく伝えることもできるからです。
新入社員は仕事内容を覚えたり、上司や先輩の助言を受けたりすることが多いでしょう。メモを積極的に活用したいものです。
今日の心がけ◆メモを活用しましょう
出典:職場の教養4月号
感想
この話からは、ビジネスにおける「伝達ミス」がどれほど大きな影響を及ぼすかが端的に示されていて、とても現実的かつ実践的な内容だと感じました。
新入社員Aさんのエピソードは、ほんの一言一句の認識のズレが、会議の進行という重要な場面にまで影響を与えるという点で、他人事ではありません。
そしてそれを防ぐために「メモ帳を活用する」という提案には、アナログでありながらも根強い有効性があります。
「自分だけがわかる書き方をしない」「他人にも伝わる形で記録する」という部分には、社会人としての成熟した視点が感じられました。
これは単にメモの取り方に留まらず、自分中心の視点から、チームや他者を意識した視点への転換を促す重要な気づきでもあります。
今日の心がけ「メモを活用しましょう」は、ただメモを取るという行為の奨励ではなく、仕事の精度や人間関係の構築にまでつながる深い教訓を含んでいると思いました。
否定的な感想
この話にやや気になるのは、メモを取ることが万能であるかのように描かれている点です。
実際の職場では、時間の制約や緊張感のある場面では、メモを取る余裕がないことも多々あります。
また、口頭での指示が不明瞭だった場合に、すべての責任が受け手側に偏っているようにも読めてしまうのは少し不公平な印象を受けました。
発信側である上司も、数字が並ぶような複雑な指示を出す際には、「復唱を促す」「書面で再確認させる」といった配慮が求められるはずです。
また、メモ帳という手段が中心に置かれているものの、現代のビジネスシーンにおいては、スマホのメモアプリや音声記録など、より効率的でミスの少ないツールも多く存在しています。
若い世代に向けてのメッセージであるなら、こうした多様な選択肢を提示したうえで、それぞれの長所短所を伝える方が実践的で受け入れられやすかったのではないでしょうか。