私たちの仕事には、自分の前の担当者、そのまた前の担当者といったように、その仕事を担ってきた多くの前任者がいます。
Tさんが、新しい部署に異動になった時のことです。ある仕事で問題が発生し、解決方法が見つからずに悩んでいました。
そんな時、資料棚に前任者が残したファイルを見つけました。そこには同様の問題が生じたこと、その経緯と原因、そして解決方法が記録してあったのです。
何とか問題を解決して安堵したTさんでしたが、その時に心を打たれたのは、後任であるTさんの情報を見越して記したかのような詳細な記録でした。
Tさんは、顔も知らない前任者から時を経たメッセージを受け取り、大いに励まされたのです。そして前任者を一層身近に感じたのでした。
この一見からTさんは、業務記録を念入りに記すと共に、〈後輩のためになる仕事を残そう〉と決意したといいます。
先人への感謝の念を深め、次代のためになる働きとは何かを考えたいものです。
今日の心がけ◆次世代に継承できる働きをしましょう
出典:職場の教養3月号
感想
この話は、私たちがどのように自分の仕事を通じて他人に影響を与えることができるかを示しています。Tさんの経験は、私たちが行うすべての仕事が、直接的または間接的に他人に影響を与え、彼らの生活を改善する可能性があることを思い出させてくれます。
また、この話は、知識と経験を共有することの重要性を強調しています。前任者が残した詳細な記録は、Tさんが問題を解決するのに役立ちました。これは、私たちが学んだことを記録し、共有することで、他人が同じ問題に直面したときに役立つ情報を提供できることを示しています。
そして、この話は、感謝と尊敬の心を持つことの大切さを教えてくれます。Tさんは、前任者に対する感謝の念を抱き、その経験から学び、自分自身の働き方を改善することを決意しました。これは、私たちが他人から学んだことを尊重し、それを自分自身の成長に役立てることの重要性を示しています。
全体として、この話は私たちに、自分の行動が他人に与える影響、知識と経験の共有の重要性、そして他人から学ぶことの価値について考えさせてくれます。それは、私たちがどのようにしてより良い職場環境を作り出し、自分自身と他人のために価値を創造することができるかについての洞察を提供してくれたと感じます。