約束に大小はない
世の中は大小無数の「きめごと」によって成り立っています。
四季や昼夜のめぐりなど自然界の法則から人と人との間で交わされる約束まで、私たちは様々なきめごとに囲まれて生活しています。
その中で、人間社会で交わされる約束に対して、どのように向き合っているでしょう。例えば「道路交通法」一つとっても、先を急ぐあまり、青信号ではないのに横断歩道を渡ってしまった経験はないでしょうか。
しかし、そうした行為を繰り返していると、いずれ大きな事故を引き起こしてしまうかもしれません。
また、「連休に家族で食事に行く」「借りた本を一週間以内に返す」など、家族や友人と交わした口約束も、大切なきめごとです。
こうした約束を守ることは、相手からの信用、信頼につながり、家庭生活や仕事を円滑に成り立たせる基盤となります。
どんなルールや約束も、誠意を尽くしてしっかりと守りたいものです。
今日の心がけ◆きめごとはきちんと守りましょう
出典:職場の教養6月号
肯定的な感想
この話を読んで、約束というものの重みについて改めて考えさせられました。
私たちは日常の中で無数のきめごとに囲まれていますが、その一つ一つが社会や人間関係の基盤となっていることに気づかされます。
とりわけ、小さな口約束や日常のルールの軽視が、やがては大きな信頼の崩壊につながるという視点は非常に共感できます。
例えば、家族との些細な約束も、守られ続けることで「信じても大丈夫」という安心感を相手に与えるのです。
また、「道路交通法」に象徴される社会のルールについての指摘も鋭く、たとえそれが一瞬の判断であったとしても、自分の行動が周囲にどんな影響を与えるかを想像する力が求められているのだと実感しました。
小さなルールを守ることは、大きな秩序を守ることにつながる——その積み重ねが、信頼される人間性を育てていくのだと感じました。
今日の心がけの「きめごとはきちんと守りましょう」という言葉には、誠実に生きるための基本が詰まっています。
たとえ小さなことでも、守り抜く姿勢こそが、より良い社会と信頼関係の土台になるのだと感じました。
否定的な感想
この話には少し理想論に偏った印象も受けました。
確かに約束を守ることは大切ですが、すべての約束を「誠意を尽くして守る」ことが常に可能かというと、現実には難しい場面も多々あります。
家庭や職場、社会で交わされる約束には、立場や状況、背景によって優先順位が異なるものもあり、それらを一律に「すべて守るべき」とする論調には若干の窮屈さを感じます。
たとえば、突発的な事情で家族との約束を破らざるを得ないこともあるでしょうし、法律や規則の中にも、時代や個人の事情にそぐわないものがあることも事実です。
そうしたときに「守らなかった」ことだけを咎めるような風潮は、むしろ柔軟な判断や他者への配慮を損なう危険すらあるのではないでしょうか。
約束を大切にする姿勢は尊重すべきですが、それを「全て絶対に守るべき」とするのではなく、破ることになってしまったときの誠実なフォローや、相手との対話の方が重要な場面もあるのではないかと感じました。
約束の価値を決めるのは、守ったかどうかだけではなく、そこに込められた思いや背景の理解でもあると思います。