文具メーカーのコクヨの調査によると、一日の書類を探す時間はおよそ二〇分でした。これを一年間に換算すると、約八〇時間に相当します。そのほか、物品の探し物などの時間を入れれば、さらにその時間は多くなるでしょう。
会社員のNさんは、任される仕事が増えるにつれ、整理整頓を〈後でいいや〉と先のばしにすることが増え、机の上には書類が乱雑に積まれていました。
そのため、次の作業に移る度に資料を探したり、前回の作業の進捗状況を思い出したりと、余計な時間を取られ、さらに切羽詰まるようになっていました。
そんな時、見かねた先輩から「面倒に感じても、一つひとつの仕事の後始末をきちんとしてから、次の業務に取り掛かるといい」とアドバイスされたのです。
その後、Nさんは、一つ仕事を終えるごとに書類やデータを整理し、後始末を徹底しました。その結果、業務時間は短縮され、仕事の精度も上がったのです。
Nさんの机の上は整頓され、常に気持ちよく作業できるようになり、僅かな時間でもこまめに後始末を行う大切さを、身に染みて感じています。
今日の心がけ◆後始末をすぐに行いましょう
出典:職場の教養4月号
感想
整理整頓を怠ると、作業の進行が遅れたり、資料を探すのに時間がかかったりすることがあります。そのため、仕事を終えたらすぐに後始末をする習慣を身につけることは、生産性を高める上で非常に重要で、この話は、些細なことの積み重ねが仕事の質や効率に大きな影響を与えることを示しています。
ただ、後始末の習慣化も重要ですが、そもそも後始末をしなくともいい、もしくは少なくすむような環境を整えることも重要だと感じました。
例えば、紙書類のデジタル化で作業スペースを確保することで、必要な情報やアイテムに素早くアクセスできるようにすることができますし、不要な物品の廃棄やシステムの改善などによって、無駄な手間や時間を減らし、仕事に集中できる環境を整えることができます。これによって、作業効率が向上し、業務の品質や成果にもポジティブな影響を与えることが期待されます。
作業環境は、1日の大半の時間を過ごす場所でもあるのでその環境を整えることは、大切なことだと感じました。