Sさんは妻と長男夫婦、三歳になる孫と同居しています。日々、和やかに暮らしていましたが、ある日、妻と些細なことで口喧嘩になりました。
お互いに自分の思いをぶつけるばかりで話は平行線のままです。すると、孫がSさんのもとに走り寄ってきました。
そして大きな声で「じいじ、ばあばの話をちゃんと聞いてね」と言いました。Sさんが呆気に取られていると、孫は次に妻のほうに足を運び、「ばあば、じいじの話をちゃんと聞くんだよ」と諭すように言ったのです。
三歳の孫の思いがけない言葉に、Sさんも妻も驚きました。お互い目を合わせて頷くしかありませんでした。
少々喧嘩をしても、幼い孫には何も分からないだろうと考えていたSさん。しかし、幼いからこそ祖父母の言い争う姿に心を痛め、思わず発せられた言葉だったと気づきました。
依頼、孫の言葉を忘れず、妻の話に真剣に耳を傾けようと誓ったのでした。
今日の心がけ◆謙虚に学ぶ心を持ちましょう
出典:職場の教養4月号
感想
三歳の孫が中立の立場から祖父母に対話を促したことは、年齢に関係なく、互いを思いやる心がどれだけ重要であるか改めて考えさせられます。また、幼い子どもでも家族の感情や雰囲気を敏感に察知し、和解を望んでいることが伝わってきます。
私たちは自分の意見を主張することも大切ですが、相手の話を真摯に聞き、理解しようとする姿勢もまた、家族間の平和を保つために不可欠です。更に、子どもたちが自分たちの行動を見て学んでいるという事実を改めて認識し、良い手本を示すことの大切さを忘れないようにしなくてはいけないと思いました。
相手の話に耳を傾けるということは、ビジネスにおいても最も大切なスキルです。いくつになっても謙虚に学ぶ心を持つことの重要性を改めて教えてくれる、心温まるエピソードだと思いました。