2024年5月8日(水) 名乗り

戦を扱った映画などで「やあやあ我こそは」で始まる「名乗り」を上げるシーンを目にしたことがある人も多いでしょう。

武将が自らの氏名や家柄、身分などを声高に告げることを「名乗り」と言います。相手に正々堂々と勝負を挑み、兵士たちの士気を高める効果があったようです。また、「名乗り」の最中は互いに攻撃をしないという作法もありました。

ビジネスシーンの「名乗り」と言えば名刺交換です。訪問した側から先に名刺を出し、立場の上の者から順に交換する、両手で名刺をいただく、相手の名前を復唱するなど、その時々の作法があります。

しかし、作法にばかり気を取られて、何のための名刺交換かを忘れてしまっては元も子もありません。これから共に仕事を進めていく大切なパートナーを敬う気持ちを、名刺交換の挨拶に込めましょう。

仕事を円滑に進めるには相手とのより良い人間関係が重要です。作法に心を添え、誠意を持って仕事に励みたいものです。

今日の心がけ◆作法に心を込めましょう

出典:職場の教養5月号

感想

この話は単に作法を守ることの重要性を説くだけでなく、その背後にある「心」を大切にすることの大切さをも強調しています。名刺交換という行為自体は形式的なものかもしれませんが、それを通じて相手に対する敬意や共に仕事を進めていく中での信頼関係を築くことが、実際にはもっと重要であると言えます。

この点において、「名乗り」の作法とビジネスにおける名刺交換は、形式を超えた相互理解と敬意の表現として、非常に似た価値を持っていると思われます。そして、このような伝統的な価値観が現代社会においても引き継がれ、尊重されていることは、人間関係の構築において根幹をなす普遍的な原則であると言えるでしょう。

ビジネスの場でも、形式だけでなく、その背後にある意味や心を大切にすることが、より良い関係構築に繋がるという教訓を、この話は教えてくれています。