2024年7月11日(木) 聴く耳を持つ

人が一人で出来ることには限界があります。ゆえに複数人で仕事をする際には、お互いに意見を交わし合いながら、チームワークを高めることが肝要です。

株式会社サンリオの「ハローキティ」は誕生して今年、五〇周年を迎えました。社長の辻朋邦氏は、父親の急逝をきっかけに、業績が厳しい時期に入社しました。

辻氏は社長就任前、会社の改革案を持ってはいたものの、当時の社長とは考え方が異なり、なかなか受け入れてもらえませんでした。しかし、どうしたら理解してもらえるかを考え、毎日の対話を一年近く継続して理解を深めていきました。

社長に就任してからも社員の話を聴くために、対話の時間を設けたり、経営会議を新設したりするなど、徹底して周囲の意見に耳を傾けていきました。

さらに、同社の新たなキャラクターを決める「ネクストカワイイプロジェクト」では、ユーザーの投票によって次世代キャラクター候補を選出しています。

周囲の話を聴くことで、知見は集まり、協力者も増えるでしょう。行き詰まった時、多くの人の意見に耳を傾けると解決の糸口が見つかるかもしれません。

今日の心がけ◆周囲の話を聴きましょう

出典:職場の教養7月号

感想

この話は対話と協力の重要性を強調し、ビジネスだけでなく日常生活においても適用できる貴重な教訓を提供していると感じました。「周囲の話を聴く」という今日の心がけは、人間関係の改善や問題解決に役立つ、シンプルながら強力なアドバイスだと思います。

特に印象深かったのは、辻朋邦氏の粘り強さと柔軟性です。自分の改革案を持ちながらも、それを押し付けるのではなく、対話を通じて理解を得ようとする姿勢は、現代のビジネス環境で極めて重要だと思います。

技術が進歩し、AIが発達する現代だからこそ、今後人間同士の対話と理解がますます重要になっていくのではないでしょうか。この話は、その大切さを改めて気づかせてくれるエピソードだと思いました。

否定的な感想

自身の改革案を即座に実行できなかったことは、リーダーシップの弱さを示唆しているように感じました。強力なリーダーなら、より迅速に変革を推し進めることができたのではないでしょうか。

急速に変化する市場環境で、辻氏が1年近くも対話を続けたという点は、ビジネスの観点からは非効率的に見えます。

また、全員の意見を聞くアプローチは、最終的な意思決定の責任の所在を不明確にする可能性があります。これは組織の透明性や説明責任を損なう恐れがあり、長期的には企業の成長を阻害するかもしれません。