2024年7月26日(金) 過程の重要性

「近代オリンピックの父」と呼ばれるピエール・ド・クーベルタンの言葉に、「オリンピックで重要なことは、勝つことではなく参加すること」があります。

実はこの言葉は、イギリスのエチューバード・エルボット主教が礼拝に参加した選手に向けて述べた言葉です。これに感動したクーベルタンは、イギリス政府主催の晩餐会でこの言葉の引用を交えながらスピーチをしています。

その趣旨は、「人生にとって大切なことは成功することではなく努力すること」というものです。これは、オリンピックを通しての人間形成や、出場するまでの過程を重要視していたクーベルタンの考えを表しています。

仕事では、契約の成立や新製品の開発など、良い結果を目指して取り組むでしょう。もちろん、そうした結果は大切ですが、その結果を得るために自分が何を考え、どのような行動をとったかがより重要ではないでしょうか。

目的に向かって行動する過程の中で得た経験や教訓を次に活かしていくことが、難しい状況を乗り越え、仕事を成功させることにつながるでしょう。

今日の心がけ◆経験を次に活かしましょう

出典:職場の教養7月号

感想

クーベルタンの言葉の中には、人生や仕事に対する深い洞察が含まれています。勝利や成功だけが重要なのではなく、その過程や努力こそが本質であるという考え方は、現代の競争社会においても非常に有益です。

私自身も仕事で新しいプロジェクトに取り組む際、最終的な成果だけを追求するのではなく、その過程で得られる経験や教訓を大切にしています。このアプローチは、自分の成長を促し、次の挑戦に対する準備を整えるために不可欠だと感じています。

この話は、オリンピックの精神を超えて、私たちの日常生活や仕事においても大切な教訓を伝えてくれます。クーベルタンの言葉を胸に刻み、日々の努力を大切にしながら、成長を続けていきたいと思いました。

否定的な感想

まず、「オリンピックで重要なことは、勝つことではなく参加すること」という言葉は、理想的な理念としては美しいですが、現実の競技スポーツの世界では必ずしも適用されないかもしれません。選手たちは多くの場合、長期間の厳しい訓練と大きな犠牲を払ってオリンピックに挑みます。その目標は、単に参加することではなく、勝利を目指していることがほとんどです。勝利がなければ、スポンサーや国からの支援が減少する可能性もあり、選手にとって大きな経済的プレッシャーがかかることもあるでしょう。

また、企業においても、プロジェクトの成功や売上の向上が重要視されることが多いです。結果が出なければ、どれだけ努力しても評価されないことがあり、努力が報われることを期待するのは当然ですが、それが常に現実になるわけではありません。

総じて、クーベルタンの言葉には美しい理念が含まれている一方で、現実の厳しさや複雑さを十分に考慮していないという見方もあると思います。