2024年7月27日(土) 情けは人の為ならず

Mさんは、ある日曜日に妻と三歳の息子と一緒に、自宅近くの商業施設まで自転車で向かいました。ちょうど駐輪場に着いた時、高齢の女性が荷物で重くなった自転車を出すのに苦労していました。

その姿を見て、Mさんの妻がサッと手を貸しました。Mさんが妻の行動に感心していると、妻は「困っている人がいたら助けるものよ」と言ったのです。

困っている人を見かけたら、自分はすぐに手を貸すことができるだろうかと考えながら、Mさんは息子と二人でおもちゃ売り場に向かいました。すると、息子はいきない手を振りほどいて走り出し、姿が見えなくなってしまったのです。

急いで別の売り場にいた妻を呼び、一緒に探しましたが見つかりません。焦っていると、息子が店員に手を引かれて歩いてきました。「一人でいたので心配で声をかけました」と言われ、Mさんはほっと胸をなでおろしました。

親切は巡り巡って返ってくる「情けは人の為ならず」ということわざが頭に浮かんだMさん。他人を思う親切心は、自分に返ってくるのだと痛感したのでした。

今日の心がけ◆親切心を持ちましょう

出典:職場の教養7月号

感想

まず、恥ずかしながら私は、割と最近まで「情けは人の為ならず」という言葉を、ずっと「情けをかけるのはその人のためにならない」という意味と思っていました。同じように勘違いしていた人も多いのではないでしょうか。本来の意味は、「他人に情けをかけることは、その人だけのためではなく、巡り巡って自分に返ってくる」というものです。

この話はまさに「情けは人の為ならず」ということわざを具体的なエピソードで示しています。Mさんとその家族のエピソードを通じて、日常生活における親切心の重要性を考えさせられました。

現実的には、日常生活の忙しさやストレスから、常に親切心を持つことは簡単ではありません。しかし、親切心は、自分自身の生活を豊かにし、周囲の人々とのつながりを強化する力があります。小さな親切が大きな影響をもたらすことを忘れずに、日々の生活の中で他人を思いやる心を持ち続けたいと思いました。

否定的な感想

親切心は大切ですが、それが相手のためになるかどうかを見極めることも重要です。この話はそのバランスを欠いており、親切心が常に良い結果をもたらすという一面的な見方にとどまっています。私たちは、親切心の価値を再認識するだけでなく、その影響を慎重に考えるべきです。他人を助けることが相手のためにならない場合もあることを忘れてはいけません。

困っている人に手を貸すことは、一見親切な行動ですが、その親切が相手の自立を妨げる可能性もあります。助けを借りることで、その人自身が自分で問題を解決する力を失ってしまうかもしれません。このように、親切が逆効果になることもあるという視点を考えると、一概に助けることが良いとは言えないのではないでしょうか。

また、Mさんの息子が迷子になったとき、親切な店員がいなかったら、息子はどうなっていたでしょうか。常に他人の親切に頼ることができるとは限らず、このような偶然の助けに依存することは危険です。親として、息子をしっかり見守る責任を果たすべきであり、他人の親切に期待するのは無責任とも言えます。