漫画家の赤塚不二夫氏の代表作に『天才バカボン』があります。
この漫画作品は、一九六七年に少年雑誌に掲載されると、当初から爆発的な人気を博してアニメ化され、現在も多くのメディアに登場しています。
定職に就かず自由奔放な生活を送り、「これでいいのだ」が口癖の「バカボンのパパ」と周囲の人々が織りなす愉快な物語が多くの人に愛されています。
二〇〇八年八月の赤塚氏の告別式で、タレントの森田一義氏は、弔辞で「あなたの考えはすべての出来事、存在をあるがままに前向きに肯定し、受け入れることです」と述べ、これを見事に表すのが「これでいいのだ」だと評しました。
この言葉は、目の前の苦境や失敗を無条件に肯定するという意味ではないでしょう。自分にとって良きことも悪しきことも、原因と結果があり、それをありのままに受け入れて、必要な対処をとることを示唆しているのです。
苦境に立たされたとき、葛藤ばかりが続けば心は暗くなってしまいます。現状を肯定的に受け止めて問題点を明らかにし、未来を拓くヒントとしたいものです。
今日の心がけ◆現状をありのままに受け止めましょう
出典:職場の教養8月号
感想
『天才バカボン』は、多くの人々に愛され続けている漫画作品です。赤塚不二夫氏の描く世界は、一見、無秩序に見えるかもしれませんが、その中には深い哲学と人生観が隠されているのだと感じました。
これまであまり深く考えたことはありませんでしたが、「これでいいのだ」というバカボンのパパの口癖は、何事も前向けに捉え、受け入れる姿勢を象徴しているというのは、確かにそうだと思いました。この考え方は、現代社会においても非常に重要であり、多くの人々にとって励ましとなるでしょう。
人生には良いことも悪いこともあります。しかし、それらをありのままに受け入れることで、自分自身を見つめ直し、必要な対処をすることができます。これが赤塚不二夫氏の作品を通じて伝えたかったメッセージなのかもしれません。
現状を受け入れ、問題点を明らかにし、未来を拓くヒントを見つける。この姿勢を持つことで、どんな困難も乗り越える生き方ができるのではないでしょうか。
否定的な感想
「これでいいのだ」というメッセージは、個々の責任感を薄れさせる危険性があると思いました。現実には、全ての出来事を受け入れるだけではなく、自らの行動に責任を持ち、改善や成長を目指すことが求められます。無条件の受け入れは、一部の人々にとっては現実逃避や無責任な態度と捉えられる可能性があります。
また、定職に就かず自由奔放に生きるバカボンのパパのライフスタイルは、一部の人々にとっては不安定で無計画な生き方として映ることがあります。特に現代社会では、安定した職業と収入を得ることが重要視されるため、このような生き方は非現実的で無謀だと感じる人もいるでしょう。
総じて、『天才バカボン』の「これでいいのだ」というメッセージは、楽観的で前向きな一面がある一方で、現実的な問題解決や責任感の欠如といった否定的な側面も存在します。現実の生活においては、問題に対して積極的に取り組む姿勢も同時に重要であることを忘れてはならないと感じます。