2024年9月30日(月) 風変わりな研究

毎年、九月か十月にイグノーベル賞の授賞式が開催されます。この賞は、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して贈られます。

この「イグノーベル」の名称は、ノーベル賞を創設したアルフレッド・ノーベル氏の姓に否定的な意味の「Ig」をつけた造語で、「恥ずべき、不名誉な」などの意味を持つ「Ignoble」と掛けたジョークになっています。

これまで様々なユーモアあふれる発明、研究が表彰されており、日本では足の匂いの原因となる化学物質を特定した研究や、犬語翻訳機「バウリンガル」の開発によってヒトとイヌに平和と調和をもたらした業績などが受賞しています。

二〇〇七年以降は、日本人の研究者が毎年イグノーベル賞を受賞しています。その背景には、日本に、周りの人の評価に左右されずに自分の探求すべき道を突き進む風土と、それを受けとめる環境があるからだと言われています。

時に突飛な発想が、より良い商品やサービスの誕生、組織の発展につながります。創造的に仕事に取り組み、新たな価値を生み出したいものです。

今日の心がけ◆新たな発想を大切にしましょう

出典:職場の教養9月号

感想

往々にして、科学研究は難解で一般の人々には遠い存在と思われがちですが、イグノーベル賞は科学の面白さや意外性を一般の人々に伝える素晴らしい取り組みだと思います。

「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」という概念は、科学と社会のつながりを再考する機会を与えてくれると感じました。

また、一見すると滑稽に見える研究が実は重要な発見や革新につながる可能性があることを示唆しており、社会にとって何が本当に価値があるのかを、固定観念にとらわれずに考える必要性を感じました。

最初は奇抜で非現実的に見えるかもしれませんが、それを受け入れ、発展させることで、真の革新が生まれる可能性があります。

イグノーベル賞の存在は、私たちに創造性、好奇心、そしてユーモアの価値を再認識させてくれると感じています。日常生活や仕事の中で、「常識」や「当たり前」と思われていることに疑問を持ち、新しい視点で物事を見る勇気を与えてくれるのではないでしょうか。

否定的な感想

イグノーベル賞は科学研究の本質や社会的責任を軽視し、誤った価値観を助長する可能性があると感じました。科学と社会のつながりを考える上では、もっと真摯で建設的なアプローチが必要ではないでしょうか。

このような賞の存在が、一部の研究者に不適切なインセンティブを与える可能性も懸念されます。真に価値のある研究よりも、話題性や奇抜さを追求する風潮を助長し、結果として研究の質の低下につながる可能性があります。

さらに、限られた研究資金や人材を、社会的意義の薄い「突飛な」研究に費やすことは、リソースの無駄遣いとも言えるでしょう。特に、多くの重要な社会問題や科学的課題が山積している現代において、このような研究に注目が集まることは問題だと感じます。