昭和四十一年に施行された「野菜生産出荷安定法」に基づき、消費量が多く、国民生活において極めて重要と認められた野菜を「指定野菜」に定めています。
キャベツや玉ねぎなどの葉茎菜類、きゅうりやトマトなどの果菜類、そして大根や人参といった根菜類の十四品目に加え、令和八年度からは新たにブロッコリーが加えれれる予定です。
この制度は、消費量の多い野菜について、気候やその他の影響により、価格が大きく下落した場合、国が農家に補給金を出すなどして、安定的な供給を図ることを目的に制定されました。
スーパーなどの店頭には、当たり前のようにずらりと食材が並んでいるでしょう。この光景を前に、生産者を始め、加工や物流などにかかわる多くの人々の存在、そして、こうした制度による行政の働きも忘れずにいたいものです。
自分の生活を支えてくれる多くの働きに常に感謝を忘れず、自分自身もまた誰かのためになるよう真心の働きに努めましょう。
今日の心がけ◆当たり前を支える働きに感謝しましょう
出典:職場の教養10月号
感想
キャベツやトマトなど、日常的に口にする野菜が、気候変動や市場の変動に左右されずに安定的に供給される背景には、「野菜生産出荷安定法」の法律の存在があることを改めて認識させられました。
また、私たちの食卓が豊かになっている裏側では、農家の方々が天候に左右されながら一生懸命野菜を育て、また、流通に関わる人々がそれぞれの役割を果たしていることを忘れてはいけません。
自分のできる範囲で、食品ロス問題に関心を持つことや、地産地消を心がけることなど、「食」に対して、日々の生活の中でできることはたくさんあります。これらの小さな行動が、いずれ大きな変化につながる可能性も秘めているのではないでしょうか。
食は単に生きるための行為ではなく、人々の生活を豊かにする重要な要素の一つです。
私たちの生活は、多くの人々の支えによって成り立っていることを忘れずに、感謝の気持ちを常に持つことが大切だと思いました。
否定的な感想
「野菜生産出荷安定法」の制度は、気候変動の影響を大きく受ける農業の特性を考慮し、価格変動を抑制する目的で設けられています。しかし、異常気象の頻発や、その規模の拡大など、気候変動がますます深刻化する中で、この制度の限界も露呈しつつあるのではないでしょうか。
市場経済の原則から考えると、政府が価格を人工的に維持することは、市場メカニズムの歪みを引き起こす可能性も指摘されています。例えば、特定の野菜の価格が常に高めに維持されることで、他の野菜の生産が抑制されるなどの弊害が生じる可能性も考えられます。
また、食の多様化が進み、有機野菜や地域産品など、従来の大量生産・大量消費型の農業とは異なる価値観を持つ消費者が増えています。この制度が、こうした多様な消費者のニーズに対応できているかという点についても疑問が残ります。