十一月一日は「犬の日」です。犬の鳴き声「ワン、ワン、ワン」にちなんで記念日として制定されました。この日は、犬についての知識を身に付け、犬をかわいがる日とされています。
日本各地には、人と犬との良い関係を示すエピソードが多くあります。「忠犬ハチ公」の物語は有名で、飼い主を思うハチの姿に涙を流した人もいるでしょう。
茨城県石岡市には、忠犬ハチ公ならぬ忠犬タローがいました。昭和三十九年、石岡駅で飼い主とはぐれてしまった一匹の犬は、迷い込んだ小学校で飼われるようになりました。犬は「タロー」と名付けられ、子供たちから可愛がられました。
タローは、朝と夕方、必ず小学校から駅までおよそ二キロの距離を歩きました。駅の待合室に着くと、じっと改札口を眺め、誰かを待ち、待ちくたびれるとまた小学校に戻っていったのです。これが亡くなるまで十数年続きました。
その様子を、市民は親しみを込めて眺めていました。今では、駅前にタローの銅像が建てられ、また歌や映画となってタローの姿を後世に伝えています。
今日の心がけ◆動物に親しみましょう
出典:職場の教養11月号
感想
「忠犬ハチ公」や「忠犬タロー」のようなエピソードは、犬の持つ忠誠心や愛情の深さを強く感じさせます。
特に、タローが毎日駅と小学校を往復しながら、飼い主を待ち続けた姿勢には、犬がどれだけ一途であるかが見て取れます。
このような話は、犬がただのペット以上の存在であり、家族の一員であることを改めて実感させてくれます。動物と人とのつながりの大切さを感じさせ、命を慈しむ心を育むうえで、このような話は貴重なものだと思います。
動物を愛する心は、日常生活においても優しさや思いやりを育む重要な要素です。
動物を慈しむことで、自然や他者に対する理解や尊重も深まるでしょう。こうした記念日は、人々に動物への関心を促し、動物保護や適切な飼育の重要性を再認識させる機会にもなり得るので、非常に有意義だと感じます。
否定的な感想
タローの行動は感動的ですが、犬が飼い主とはぐれ、最終的に小学校で保護されたという経緯は、実際には心の痛む部分もあるはずです。
犬が飼い主を待ち続ける姿は、裏を返せば「ずっと待たせたまま」だったことを示しており、その背景には人間側の責任や管理の不備が隠れていることもあります。
こうしたエピソードが、感動の物語として語られるだけではなく、動物を適切に扱うことの重要性を教訓として伝える必要があるのではないかと感じます。
また、さらに、忠犬エピソードのような美談が過度に広がることで、犬への期待が高まりすぎるリスクもあります。
現実の犬は個々に性格が異なり、飼い主の期待に必ずしも応えるわけではありません。そうした現実を受け入れつつ、動物に対する理解と責任ある接し方を広めることが、本当に必要な心がけなのではないでしょうか。