風通しの良い職場
スタートアップ企業が集まり、自社の新規事業のアイデアを投資家などに紹介する「ピッチコンテスト」と呼ばれるイベントがあります。
スタートアップ企業にとってはアピールの場であり、投資家にとっては新たな投資先の発掘や今までになかった視点の発見の場となります。
最近では、この形式を応用して、社員が経営陣に現状の改善点や新しい取り組みを提案する企業も増えています。
組織運営では、経営陣が戦略を立てて社員が実行する「トップダウン」形式が一般的です。一方で、社員に裁量を与える「ボトムアップ」形式は、新たな考えを発掘するだけでなく、社内の風通しを良くする効果もあります。
普段から風通しの良い職場であれば、このような場がなくとも、互いの意見に耳を傾け、活発に意見を交わすことができるでしょう。
組織の強みの一つは「様々な視点がある」ことです。この強みを無駄にしないよう、互いの意見を尊重する意識を持ち続けたいものです。
今日の心がけ◆互いの意見を尊重しましょう
出典:職場の教養2月号
感想
ピッチコンテストの仕組みを応用し、社員が経営陣に直接提案できる場を設けるという発想は素晴らしいですね。
一般的に「トップダウン」方式が根付いている企業では、経営陣の視点が優先され、現場の意見が埋もれがちです。
しかし、実際に業務を遂行している社員こそ、細かな課題や改善点に気づきやすいものです。
このような「ボトムアップ」の仕組みを取り入れることで、企業は現場のリアルな声を拾い、より実効性の高い施策を打ち出せるようになるでしょう。
また、この形式が社内の風通しを良くするという点にも大いに賛同します。
多くの企業では、上層部が経営戦略を決定し、社員はそれに従うだけという風潮があります。
そのため、意見があっても「言っても変わらない」と諦める風土が生まれてしまうことがある。
しかし、ピッチコンテストのような場が定期的に開催され、経営陣が本気で耳を傾ける姿勢を示せば、社員も「自分たちの意見が尊重される」という実感を持てます。
それがモチベーションの向上につながり、結果として組織全体の活性化にも寄与するでしょう。
特に「様々な視点があることが組織の強み」という点はとても重要です。
企業は一人のリーダーの視点だけではなく、多様な経験や考え方を持つ人材を活かすことで、より強く成長できます。
ピッチコンテストを通じて、経営陣と社員が双方向のコミュニケーションを取り、組織全体の創造性を高める取り組みは、今後の企業経営においてさらに重要になっていくと感じました。
否定的な感想
このような仕組みがすべての企業にとって有効かというと、そうとも限らないと思います。
ピッチコンテストのようなイベントは、確かに「意見を発信しやすくする」というメリットがありますが、それが形式的なものになってしまうと逆効果になる恐れがあります。
例えば、経営陣が「社員の声を聞いている」というアピールのために形だけ導入し、実際の経営判断に反映されないのであれば、社員はかえって失望してしまうでしょう。
ボトムアップの制度を取り入れるだけではなく、それをいかに実際の経営に活かすかが重要です。
また、こうしたコンテスト形式では、どうしても「プレゼン能力が高い人の意見」が通りやすくなるという問題もあります。
必ずしも発表が上手な人だけが良いアイデアを持っているとは限りません。
声の大きい人の意見ばかりが採用され、静かに地道な努力をしている社員の貴重な視点が見落とされるリスクもあります。
企業が本当に多様な意見を活かすのであれば、ピッチコンテストだけでなく、日常的に意見を吸い上げる仕組みを整えることも不可欠でしょう。
さらに、社員全員が積極的に意見を出せる環境があれば理想的ですが、現実には「意見を言ってもリスクがある」と感じる人も少なくありません。
特に日本の企業文化では、意見を言うことが「批判」と受け取られたり、周囲との調和を乱す行為と見なされることがあります。
単に「意見を尊重しましょう」と言うだけでなく、経営陣が率先して「異なる意見を歓迎する姿勢」を示し、それが評価される文化を育てることが重要でしょう。