小さな決断
私たちの生活は、進むか退くかといった大きな決断から、今日のお昼に何を食べるかといった小さな決断まで、毎日が決断の連続です。
決断とは、自らの意思をはっきりと決めることですが、特に職場においては、それぞれの立場で適切な決断を下すことが仕事の成否に影響します。
より良い決断をするためには、まず正しい判断を行なうための関連情報をできる限り多く集めることが重要です。
そして、集めた情報をしっかり吟味することも欠かせません。例えば、入手した情報の出所や根拠を調べ、その活用方法を考えることが大切です。
どうするかが決まったら、それを実行に移します。行動によって心に決めたことが形に表われて初めて、一つの決断が完結したと言えるでしょう。
重要な決断が適切に行なわれるには、小さな決断の積み重ねが影響します。小さな決断ができなければ、大きな決断もできるはずがありません。
小さな決断を正しく行ない、いざという時の大きな決断に備えたいものです。
今日の心がけ◆小さな決断を大切にしましょう
出典:職場の教養6月号
感想
この話を読んで、日々の「小さな決断」の積み重ねが、やがて人生を形作る土台となるという視点に、深く共感しました。
私たちはつい、大きな節目の決断ばかりに目を向けがちですが、その裏には無数の細やかな判断があることを忘れてしまいがちです。
お昼ごはんの選択や、メールの返信一つとっても、それは「自分がどうありたいか」の表れとも言えます。
こうした日常的な選択に誠実であることが、職場での信頼や自己信頼感に繋がっていくのだと思います。
特に「情報を集めること」と「吟味すること」の重要性に触れていた点は、まさに現代社会において欠かせない視点です。
情報が溢れ返る今だからこそ、自分の判断の基となる情報の質に敏感でありたいと思いました。
そして、「行動によって決断が完結する」という指摘は非常に示唆的で、ただ頭の中で思い悩むだけでなく、実際に行動に移すことでこそ、自分の意志が現実化されるのだという強さを感じました。
今日の心がけにあるように、小さな決断を一つひとつ大切にしていくことで、自分自身の軸が太く、しなやかに育っていくのではないでしょうか。
否定的な感想
この話は少々「決断」という行為に対して理想的すぎる姿勢を求めすぎているようにも感じました。
すべての決断を正しく、情報を集めて吟味し、行動に移すというのは、現実ではなかなか難しいことです。
特に忙しい日常においては、即断即決が求められる場面も多く、そこに十分な情報や吟味の時間をかけることは、かえって機を逸する可能性もあります。
すべての小さな決断を「正しく」行うという表現も、やや完璧主義的で、実践的とは言い切れません。
また、小さな決断を軽んじるなという意図は分かるのですが、それが「できなければ大きな決断もできない」という論理には、少し飛躍を感じます。
人は往々にして、追い詰められたときに初めて本気で考え、思い切った大きな決断をすることもあるものです。
だからこそ、小さな決断が苦手な人でも、大きな決断の場面でこそ本領を発揮するタイプもいます。
決断に対する姿勢は人それぞれであり、すべてを「積み重ね」で論じるのはやや一面的かもしれません。