ソバーキュリアス
「ソバーキュリアス」とは、元々お酒を飲める人や飲んでも問題ない人が自分の意思であえて飲まない選択をするライフスタイルのことを指します。
この言葉は、お酒を飲んでいない、または酔っていない状態の「素面(しらふ)」を意味する「ソバー (Sober)」と、「好奇心」を意味する「キュリアス (Curious)」を組み合わせた造語です。
近年、このライフスタイルは特に若い世代の間で注目を集めています。例えば、飲み会ではノンアルコール飲料やソフトドリンクのみで楽しんだり、家では晩酌の回数を減らしたりする人が増えているようです。
この「ソバーキュリアス」は、飲みたいけれど我慢する「禁酒」とは異なり、あえてお酒を飲まない選択をすることに重点を置いています。この背景には、健康への意識の高まり、自由時間の確保、節約志向などが影響しています。
お酒を飲む人も飲まない人も、物事に優先順位をつけながら日々の生活を見直すことで、新たな発見が生まれるのかもしれません。
今日の心がけ◆ライフスタイルを見直しましょう
出典：職場の教養8月号
感想
「ソバーキュリアス」という言葉には、現代の価値観が凝縮されているように思いました。
従来の「禁酒」や「断酒」のように、健康上の理由や依存からの脱却といった強い制約や必要性から来るのではなく、自らの意思で「飲まない」という選択をポジティブに楽しむ姿勢に、自由さと主体性を感じます。
特に若い世代に広がっているのは興味深く、彼らが単に伝統的な「飲み会文化」に流されず、自分の時間や健康、経済的余裕を優先する新しいライフスタイルを築こうとしている証だと感じます。
また、「今日の心がけ◆ライフスタイルを見直しましょう」という言葉とも相性がよく、単なるお酒の有無にとどまらず、自分にとって本当に必要な習慣は何か、逆に惰性で続けているだけのものはないかと考えるきっかけになります。
飲む人・飲まない人を分け隔てるのではなく、選択の多様性を認め合う姿勢は、人間関係のあり方そのものを柔らかくしていくようにも感じました。
強制でも我慢でもなく、「あえて楽しみながら選ぶ」という自由な姿勢は、とても前向きで魅力的だと思います。
否定的な感想
「ソバーキュリアス」という考え方には、やや「意識高い系」の響きがあり、現実にはすんなり受け入れがたい場面もあるのではないかと感じました。
特に日本社会では、まだまだ飲酒を伴う付き合いが根強く残っており、「あえて飲まない」という選択が場の空気を壊すと見なされることもあります。
そうした背景を考えると、理想的に聞こえるこのライフスタイルが、必ずしも誰にでも適用できるわけではないでしょう。
また、飲まないことを「意識的な選択」と表現すると、逆にお酒を楽しんでいる人が「不健康」「浪費」といった評価を受ける可能性もあり、二極化や優劣意識を生んでしまう懸念があります。
さらに、「飲めるのに飲まない」という姿勢は、健康上の理由で飲めない人にとってはむしろ複雑な感情を呼び起こすこともあるかもしれません。
この概念がポジティブに広がるためには、「飲む／飲まない」の選択があくまで個人の自由であり、どちらも尊重されるべきだという前提を忘れないことが大切だと思います。
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