見えない存在
インフルエンザの感染や発症は季節を問わず確認されていますが、冬は空気の乾燥や気温の低下により、他の季節に比べて増加する傾向があります。
さらに、近年は新型コロナウイルスやマイコプラズマ肺炎といった感染症も広がっており、ニワトリや豚などの家畜に感染するものも確認されています。
また、生物に限らずコンピューターに侵入し、損害を与える悪意あるプログラムや、受け手にとって強い影響力を持つ様々な情報媒体にも注意が必要です。
これらに共通するのは、いずれも肉眼では確認できないものであり、私たちの生活は「目に見えない存在」に脅かされていると言っても過言ではありません。
一方で、人は心の働きを知り、古くから「神仏」を信じて尊ぶなど、目に見えないものを大切にしてきました。人間の生活は、見えざる力に脅かされると同時に、それに支えられ、守られてきたとも言えるでしょう。
現実的には、はっきりと目に見えるものが重視されがちですが、時には目に見えない存在にも意識を向けてみてはいかがでしょうか。
今日の心がけ◆見えない存在に意識を向けてみましょう
出典:職場の教養2月号
感想
私たちは、形あるもの、数値化できるもの、そして視覚的に捉えられるものに絶対的な信頼を置きがちです。
しかし、このお話が示唆するように、私たちの生を真に揺り動かし、あるいは根底から支えているのは、皮肉にも「目に見えない存在」です。
ウイルスという微細な脅威が社会のシステムを一瞬で停止させる一方で、神仏への祈りや他者への慈しみといった、これまた形のない精神性が、絶望の淵にいる人間を繋ぎ止める防波堤となります。
この対極にある二つの「見えない力」は、現代社会において私たちが忘れてしまった「畏怖」と「敬意」の再発見を促しているように感じられます。
科学技術の進歩は、かつて「祟り」や「運命」として片付けられていた事象を可視化してきました。
しかし、すべてを解明しようとする傲慢さが、逆に目に見えないものの重要性を軽視する風潮を生んだのではないでしょうか。
コンピューターウイルスや情報の氾濫といった、現代特有の「見えない脅威」は、私たちの知性が及ばない領域が依然として広大であることを突きつけています。
一方で、それに対抗し得る「心の働き」や「目に見えない繋がり」こそが、混沌とした時代を生き抜くための羅針盤になります。
見えないからといって存在しないわけではなく、むしろ見えないからこそ、それは私たちの存在の核心に深く関わっているのです。
『今日の心がけ』にあるように、目に見えない存在に意識を向けることは、決して非科学的な現実逃避ではありません。
それは、自分の力だけで生きているという思い上がりを捨て、自分を取り巻く無数の縁や環境に生かされているという事実に気づく、極めて謙虚で知的な行為です。
空気そのものに感謝するように、私たちの生活の背後に潜む大きな循環を感じ取ることが、現代人の荒んだ心を癒やす第一歩になるはずです。
否定的な感想
この「目に見えない存在を大切にする」という考え方は、一歩間違えれば、論理的な思考を放棄し、漠然とした不安や根拠のない精神論に逃げ込む危うさを孕んでいます。
感染症やコンピューターウイルスといった具体的かつ物理的な脅威に対しては、まず徹底した科学的根拠に基づいた対策こそが優先されるべきです。
それを「目に見えない力」という抽象的な枠組みで一括りにしてしまうことは、解決すべき問題の解像度を下げ、責任の所在を曖昧にするリスクがあります。
精神性を重んじるあまり、現実的な予防策や防御策が疎かになるようでは、本末転倒と言わざるを得ません。
また、「見えない存在」に意識を向けるという姿勢が、ともすれば外部の権威や形而上学的なものへの盲信に繋がり、個人の主体性を奪ってしまう懸念もあります。
歴史を振り返れば、目に見えない神仏や思想の名の下に、多くの争いや差別が正当化されてきた側面も無視できません。
何かに守られているという安心感は、裏を返せば、自分ではコントロールできない運命論に身を委ね、思考を停止させることの同意語にもなり得ます。
現代を生きる私たちに必要なのは、見えないものを崇めることではなく、見えないものが及ぼす影響をいかに冷徹に分析し、実生活におけるリスクマネジメントへと落とし込むかという、よりドライで現実的な視点ではないでしょうか。
さらに、情報の氾濫という「見えない脅威」についても、それを単なる外部の悪意として捉えるだけでは不十分です。
受け手側が持つ認知の歪みや、感情的な反応こそが問題の本質であり、それを「見えないもののせい」にすることは、自己の内面と向き合う苦しみから逃げているに過ぎません。
目に見えないものを尊ぶという言葉が、不都合な現実から目を逸らすための免罪符として使われることに対しては、強い警戒心を抱く必要があります。
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