中堅社員のYさんは後輩社員に対して業務や職場のルールを伝えるなど、後輩を育成する担当となりました。
後輩社員の中に、いつもYさんの指導とは違う形で取り組む人がいたため、Yさんは厳しく接することが多くなっていました。同僚にそのことを話すと「後輩に対する口調が厳しくなっているのではないかな」と指摘されたのです。
「そうかもしれない」とYさんは言いつつも、心の中では〈こちらの思いも知らないで、後輩の態度を見れば誰だって厳しくなるよ〉と思ったのでした。
しかし、冷静に振り返ると強い口調も含めて厳しく接している点に思い当たることが多々あったのです。
そこで、翌日からは同じことを伝える場合にも優しい口調を心がけるようにしたのです。すると、後輩は素直に聞き、実行するようになったのです。
Yさんが優しい口調で指導したことで、後輩は、Yさんに対して信頼を抱き、リラックスして意欲的に仕事を覚えるようになったのでした。
今日の心がけ◆優しい口調で伝えましょう
出典:職場の教養8月号
感想
Yさんの変化は、自己成長の一例として称賛に値します。自分が正しいと思って行なっていることに対して、助言をされてもなかなか受け入れることができないものですが、Yさんのように、自分の行動を見直し、より良い方法を模索する姿勢は、自分の信念を見直す勇気と、柔軟に変化することの大切さを教えてくれます。
また、時には厳しくすることも必要だとは思いますが、一度、恐怖心や反発心を抱かれてしまうと関係を修復するのは難しく、長期的には逆効果になることもあります。優しい口調での指導は、信頼関係を築き、職場の雰囲気を良くする効果もあるので、後輩がリラックスして意欲的に仕事を覚えるようになったことで、チーム全体のパフォーマンスも向上するでしょう。
私も普段から業務でも日常生活でも優しい口調を心がけ、より良い人間関係を築けていければと思いました。
否定的な感想
まず、同僚からの指摘を受けてYさんが自分の行動を振り返ったことは良いことですが、なぜそれまで気づかなかったのかも考えるべきです。Yさんが自分の指導方法に固執し、他人の意見を取り入れる柔軟性を欠いていたことが問題の一因と考えられます。リーダーとしての自覚があるならば、日常的に自分の指導方法を見直し、改善する努力をするべきです。
また、Yさんが優しい口調で指導したことで後輩が素直に聞き入れるようになったという結果も、一概に肯定的に捉えることはできません。これは単に後輩がYさんに対して従順になっただけであり、本質的な理解や自主性の向上に繋がっているかどうかは不明です。
最後に、この話は「優しい口調で伝えることが全ての問題を解決する」という単純なメッセージに終始している点も批判されるべきです。職場のコミュニケーションは複雑であり、様々なアプローチが必要です。優しい口調だけでなく、時には厳しい指摘や率直な意見交換も必要です。このバランスを取ることが、真のリーダーシップだと言えるでしょう。