見合わす
世の中には様々な「あそび」がありますが、フランスの社会学者のロジェ・カイヨワは著書『遊びと人間』の中で、遊びの種類を四つに分類しています。
①サッカーやチェスなど競争を伴う遊び、②じゃんけんやサイコロなど運や賭けを伴う遊び、③ごっこや仮想、演劇など真似や模倣を伴う遊び、④ブランコやスキー、ジェットコースターなどめまいやスリルを伴う遊びです。
また、アメリカの脳神経学者のポージェス博士は、遊びの最中は交感神経が興奮状態になり、時に喧嘩に発展することもあると述べています。
同博士はそんな時、顔と顔を見合わすことを進めました。それだけでお互いの交感神経の興奮が収まり、自律神経が関係の修復に働き出すのだそうです。
デジタルの普及で、直接、顔と顔を見合わせなくても交流できるようになった昨今ですが、顔を見合わせての交流がもたらす効果を再認識して、職場内の良好な人間関係に活用することも必要ではないでしょうか。
まずは身近な人と顔を合わせて、笑顔を届けることから始めたいものです。
今日の心がけ◆交流の機会を持ちましょう
出典:職場の教養1月号
感想
ロジェ・カイヨワの遊びの分類を通して、遊びが人間の生活や交流においていかに多様で重要な役割を果たしているかを考えさせられる素晴らしい話です。
遊びがただの娯楽ではなく、競争や模倣、運、スリルなど、人間の本能や社会性を豊かにする要素に満ちていることを再認識しました。
特に、遊びの種類が四つに整理されることで、私たちが日々無意識に取り入れている「遊び」の本質を改めて深く考えるきっかけを与えてくれます。
また、ポージェス博士が提唱する「顔を見合わせることで交感神経の興奮を鎮める」という視点は、遊びが引き起こす衝突や緊張を解消するための非常に有益な方法として興味深いです。
このような科学的根拠に基づく提案は、現代社会での人間関係改善にも応用できるため、特にデジタル時代における重要性を強調している点が素晴らしいと感じます。
さらに、「顔を見合わせることが関係の修復につながる」という考えは、遊びに限らず、職場や家庭など日常生活全般でのコミュニケーションの改善にも役立つでしょう。
デジタル化が進む中で、直接的な対面の交流がもたらす効果を思い出させる内容は、多くの人に響くメッセージだと思います。
否定的な感想
遊びや交流の重要性が強調されている一方で、現実の中でそれを実践する具体的な方法や事例がやや不足していると感じました。
「顔を合わせて笑顔を届ける」といった提案はシンプルで良いものの、実際に職場や家庭でそれをどのように習慣化していくかについて、もう少し具体的なアドバイスが欲しいところです。
たとえば、「職場で遊びを取り入れたチームビルディング」や、「家庭での遊びを通じた親子の絆作り」の具体例を挙げることで、より実践的な内容にできたのではないでしょうか。
また、遊びの種類の中で競争やスリルなど刺激の強い要素に触れている一方で、それが時に「遊びの行き過ぎ」につながる危険性については触れられていませんでした。
遊びが喧嘩やトラブルに発展するリスクをどう防ぐか、またどのように調整するかといった議論が加わると、話にさらに深みが出たと思います。
さらに、「顔を見合わせること」の効果が強調されていますが、デジタル時代におけるリモートコミュニケーションの進化についても触れられていれば、現代的な視点を含んだバランスの取れた内容になったと感じます。
直接会うことが難しい状況下で、どのように「顔を見合わせる」効果を代替するのか、たとえばビデオ通話の工夫やデジタルツールの活用例が挙がっていれば、より実践的な話になったと思います。