2024年6月15日(土) ビジネスと美的センス

美術展やコンサートなど、アート鑑賞を趣味としている人も多いでしょう。

近年、芸術家が創作をする際のプロセスや考え方を「アート思考」と呼び、仕事や生活、人生に生かそうという取り組みがあります。

この取り組みは、計算問題を解くように、決まった正解を見つけるのではなく、既存の概念にとらわれない芸術家のような思考を重視しています。

こうしたアート思考を養うのがアート鑑賞です。多彩な表現を楽しむことで、感性が磨かれ、考え方の柔軟性や創造力が向上し、ビジネスにおいても新たな着想が得られるなど、問題解決へのアプローチが豊かになるはずです。

しかし、仕事が忙しくアート鑑賞どころではない、と思う人もいるかもしれません。「忙」は、「心を亡くす」と書きます。仕事に忙殺されて、心が死んだような状態になっていては、より良い仕事はできないのではないでしょうか。

忙しいときや仕事に行き詰まっている時こそ、アート鑑賞や趣味の時間をとるなどして、心をリフレッシュさせ、仕事への活力にしてみてはいかがでしょうか。

今日の心がけ◆感性を磨きましょう

出典:職場の教養6月号

感想

「アート思考」を仕事や生活に生かす取り組みが近年注目されているという点は、非常に興味深いです。芸術家のような柔軟な思考や創造力を日常生活やビジネスに取り入れることで、既存の枠にとらわれない新しい解決策やアイデアが生まれる可能性があります。これは、固定観念やルーティンに縛られがちな現代人にとって、非常に有益なアプローチだと感じます。

アート鑑賞が感性を磨き、考え方の柔軟性や創造力を向上させるという点についても、非常に納得できます。多様な表現や視点に触れることで、自分の考え方や価値観が広がり、より豊かな発想ができるようになるでしょう。私自身も、美術展やコンサートに行くことで、日常のストレスから解放され、新たなインスピレーションを得ることが何度もありました。

特に「忙は心を亡くす」という言葉には深い共感を覚えます。仕事に追われるあまり、自分の心を見失いがちになる現代社会において、この言葉は非常に重要なメッセージを伝えていると思います。私も忙しい日々の中でも、自分の時間を大切にすることで、心のバランスを保ち、仕事に対する新たな活力を得ることができました。

日々の生活の中で、少しでも感性を磨く時間を持つことで、人生がより豊かで充実したものになるでしょう。この話を通じて、改めてアートや感性の大切さを再認識し、日常生活に取り入れていきたいと感じました。

否定的な感想

アート思考がビジネスにおいて新たな着想や問題解決に役立つという主張がありますが、すべての業界や職種に当てはまるのか疑問です。クリエイティブな発想が重視される職場では有用かもしれませんが、厳密なプロセスやルールに従う必要がある職場では、アート思考が必ずしも効果を発揮するとは限りません。この点で、アート思考の普遍的な価値を強調するのはやや過大評価のように感じられます。

また、人にはそれぞれに異なる趣味やリフレッシュ方法があり、アート鑑賞が必ずしも全員にとって効果的な手段とは限りません。例えば、スポーツやアウトドア活動でリフレッシュする人々も多く、アートに興味がない人にとっては、このアプローチはあまり魅力的ではないかもしれません。

さらに、「忙は心を亡くす」という表現は一見納得できるものの、実際には多くの人が忙しい仕事の中でやりがいや達成感を感じていることもあります。仕事に忙殺されている状態が必ずしも心を亡くすことに繋がるとは限らず、むしろ充実感や自己成長を感じることもあるでしょう。この点で、アート鑑賞がすべての問題を解決する万能薬のように語られているのは一方的な見方かもしれません。