2026年8月27日(木)  言葉で確かめる

言葉で確かめる

何も言わなくても相手と気持ちが通じ合う様子を「以心伝心」といいます。

この言葉は、もともとは仏教用語であったようですが、現代では気心の知れた仲間同士で、語らずとも通じ合うといった意味で使われています。

確かに、仕事上の長年のパートナーとは、言わず語らずで通じることがあります。 しかし、いつでも誰とでもそのような意思疎通が叶うわけではないでしょう。

Tさんは月初めに、上司からある企画書を作成するように指示され、月末に開催される部署の会議に提出する企画書だと理解しました。

ところが、その後、上司と企画書の内容の打ち合わせをしている時に、それが幹部会議で使用する企画書であることが分かったのです。

慌てて企画書の内容を変更したTさんでしたが、上司の考えを汲み取れなかったことを反省すると共に、言葉で確認することの大切さを痛感したといいます。

それからというもの、Tさんは指示を受けた時は上司の意図をそれまで以上に考え、疑問が生じたら臆せず質問するようになったということです。

今日の心がけ◆明確に言葉にしましょう

出典:職場の教養8月号

感想

私はこの文章を読んで、相手の気持ちを察することと、必要なことをきちんと言葉で確認することは、別のものとして考える必要があると感じました。

長く一緒に仕事をしている相手ほど、「きっとこういう意味だろう」「いつものことだから分かるだろう」と考えてしまいがちです。

Tさんも企画書を部署の会議で使うものだと思い込んでいましたが、実際には幹部会議で使用するものでした。

この出来事から、仕事では小さな認識の違いが、後になって大きな手戻りにつながることがよく分かります。

特に印象に残ったのは、Tさんが単に上司の説明不足と考えるのではなく、自分自身も質問するようになったことです。

確認というと、分かっていないことを相手に示すようで、聞きづらく感じることもあります。

しかし、「誰に向けた資料ですか」「いつまでに、どのような目的で使いますか」と確認することは、仕事を正確に進めるための大切な行動だと思います。

また、自分が指示を出す立場になった時には、相手が察してくれることを期待せず、目的や期限まで具体的に伝える必要があります。

私自身も「言わなくても分かるだろう」という思い込みをなくし、伝える側でも受け取る側でも、曖昧な部分をそのままにしないことを心がけたいと感じました。

否定的な感想

私はこの文章を読んで、Tさんが「上司の考えを汲み取れなかったことを反省した」という部分には、少し違和感を覚えました。

企画書が幹部会議で使用されるという重要な情報であれば、本来は指示を出す上司にも明確に伝える責任があるはずです。

Tさんだけが相手の意図を察する努力を求められる形になると、「指示が曖昧でも部下が読み取るべきだ」という考えにつながる可能性があります。

仕事では、伝える側と受け取る側の双方が確認することが大切ではないでしょうか。

また、「以心伝心」という言葉から企画書の認識違いへ展開する構成は分かりやすいものの、問題の原因は以心伝心が成立しなかったことより、必要な情報が共有されていなかったことにあるように感じます。

例えば、上司が「幹部会議で使うので、この観点を重視してほしい」と伝え、Tさんが「提出日はいつですか」と確認するような、双方の具体的なやり取りまで示されていれば、より実践的な内容になったと思います。

「察する力」を高めること以上に、思い込みを減らすために目的や期限、対象者を言葉にして共有する。

その視点をさらに強調すると、今日の心がけである「明確に言葉にしましょう」が、より説得力を持って伝わるように感じました。

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