剣豪として名を馳せた戦国武将の一人に柳生宗厳がいます。柳生家一門の間でも「当家の宝」と言われるほど剣術のセンスに秀でており、当時流行していた様々な流派に学んで、メキメキと腕を上げていきました。
ところが、宗厳が三十五歳の時、ある人物と対戦して初めて完敗します。その人物とは、「新陰流」の開祖として知られる剣聖の上泉信綱です。
握っていた刀を奪い取られてしまうほどの圧倒的な実力差で負けてしまった宗厳は、その場で信綱に弟子入りを志願します。そして改めて一から剣技を鍛えなおし、二年後には師から免許皆伝を受けるまでに上達しました。
宗厳の成長の要因は、信綱との勝負に負けたことで、剣術にすべてを捧げていたかつての自分の姿を思い出したことにあります。そして、生来の能力に甘んじていた自分を省みて一心不乱に鍛錬を重ね、技により磨きをかけたのです。
人間の真価は、負けた時や失敗した時にこそ問われます。負けや失敗は、自分を成長させてくれる貴重な経験だと、日頃から肝に銘じたいものです。
今日の心がけ◆負けや失敗から学びましょう
出典:職場の教養5月号
感想
この話は、負けや失敗を経験することの重要性を教えてくれます。それらは単にネガティブな出来事として終わるのではなく、自己成長のための糧となり得ます。自分の弱点を認識し、それを乗り越えることで、人はより強く、賢くなれるということを、この話は教えてくれているのだと思います。自分の限界や弱点に直面し、それを乗り越えることでさらなる成長を遂げた一例として非常に励みになります。
また、宗厳が敗北を認め、信綱に弟子入りする決断をしたことは、強い謙虚さと学び続ける姿勢を示しており、成功に至る道は、常に学び、自己を超えていかなければならないと感じました。
今日の心がけである「負けや失敗から学びましょう」は、人生を豊かにするための大切な教訓です。人は誰しも失敗や挫折を経験しますが、それらから何を学び、どのように前進するかが重要なのだと思いました。
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