理容師になって十年目のTさんが毎月担当しているお客様のSさんは、散髪中、いつも丁寧な敬語を使って話しかけてくれます。
自分の親よりも年上のSさんに敬語を使われ、何だか申し訳ない気持ちになったTさんは、敬語を使う理由をSさんに率直に聞いてみました。
「自分より年下だからといって、慣れ慣れしく話すのはプロの方に対して失礼な気がして」と答えたSさんの姿勢に、Tさんは感銘を受けました。
敬意を払ってくれるSさんの期待に応えられるよう、〈プロとして日々技術を磨かなければ〉と思うと同時に、自身のこれまでの接客態度を振り返りました。
Tさんのお客様の中には年下の人も多く、何度も担当して親しくなるにつれ、お客様に敬語を使わなくなっていることに気が付いたのです。
「親しき中にも礼儀あり」は、親しみが過ぎて遠慮がなくなると不和のもとになるため、親しい間柄でも礼儀を重んじるよう説いた諺です。相手の立場や年齢にかかわらず、挨拶や感謝の言葉がけなどで敬意を形に表していきたいものです。
今日の心がけ◆敬意を形に表しましょう
出典:職場の教養5月号
感想
この話を聞いて、人と人との関係における敬意の表現がいかに大切かを改めて感じました。日常生活で忘れがちな、しかし非常に重要なことを思い出させてくれるエピソードです。
特にプロフェッショナルな関係性において、相手が年上であろうと年下であろうと、敬語を通じて尊敬の念を示すことは、その関係をより良いものにするための基礎となります。Sさんのように、相手を尊重し、その尊重を言葉で表現することは、相手に対する敬意だけでなく、自己のプロフェッショナリズムをも示す行為です。
Tさんが自身の接客態度を振り返り、敬語の使用について再考するようになった点も、成長と自己反省の良い機会になったと感じます。人は親しい関係になるとつい形式を省略しがちですが、その中でも礼儀を忘れずにいることが、長期的な信頼関係を築く上で重要であることを示しています。
相手を尊重し、その尊重を常に表現することの大切さを、日々の生活においても心がけたいと思います。
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