2026年6月16日(火) 失って知る重み

失って知る重み

身近な物の大切さは、失ったときに初めて意識されることが少なくありません。S氏も、スマートフォンを紛失した経験を通じて、その重要性を認識しました。

S氏は、一ヶ月の間に二度スマートフォンを紛失しました。一度目は海外出張中で、周囲からは「日本と状況が異なり、発見は難しいだろう」と言われました。ところが、同行した先輩社員の尽力により無事に見つかりました。

しかし翌週、仕事中にスマートフォンが見当たらないことに気づきました。社内であったため当初は楽観視していましたが、なかなか見つかりませんでした。

最終的に見つかったのは別の部署でした。S氏はその部署へ立ち寄っていましたが、〈その後になくした〉との思い込みから、確認を後回しにしていたのです。

S氏は、二度のスマートフォンの紛失経験により、思い込みが判断や行動の幅を狭めること、また周囲の協力のありがたさを実感しました。

現在では、スマートフォンの手入れをこまめに行ない、移動時には持ち物を確認する習慣を身につけ、日常的に道具を大切に扱う意識を徹底させています。

今日の心がけ◆有ることを当然と思わず感謝しましょう

出典:職場の教養6月号

感想

スマートフォンを短期間に二度も失くし、そこから単なる「不注意への反省」以上の深い気づきを得ているプロセスに、とても人間味を感じるというか、深く考えさせられました。

私たちは普段、当たり前のようにある便利さにどっぷりと浸かっているときほど、それがどれほど周囲の支えや幸運の上にしがみついているかを見落としてしまいがちですよね。

S氏が一度目に海外で紛失した際、先輩の尽力で戻ってきたことは、一見すると「運が良かった」で終わらせてしまいそうな出来事です。

でも、そこで終わらせず、二度目の社内での紛失と地続きで捉えたところに、このお話の本当の価値があるように感じました。

「社内だから大丈夫だろう」という油断や、「あそこには立ち寄った後に失くしたはずだ」という根拠のない思い込みは、私たちの日常の仕事や人間関係でも本当によく起こる罠だと思います。

自分が正しいと信じ込んでいるときほど、視野は狭くなり、すぐ近くにある正解や助けに気づけなくなってしまう。

S氏が自らの思い込みの怖さに気づき、今では道具を丁寧に扱い、移動のたびに確認するようになったという変化からは、失敗をただのトラブルで終わらせず、自分の生き方や習慣をアップデートする糧にした実感が伝わってきて、私も身の回りの当たり前を見直したい気持ちになりました。

否定的な感想

このお話を少し冷めた視点から眺めてみると、S氏の危機管理に対する甘さや、周囲への依存体質がどうしても気になってしまう部分もありました。

特に一ヶ月の間に二度も、しかも一度目は治安やインフラの異なる海外出張中という緊張感のある場面で紛失している点は、社会人としての自覚という面で少し首をかしげたくなります。

海外での紛失が先輩の尽力によって解決した際、もしS氏がその時点で「自分の行動の何が問題だったのか」を徹底的に掘り下げていれば、翌週に社内で二度目を引き起こすことは防げたのではないでしょうか。

どこか「周りがなんとかしてくれる」という甘えが心の奥底にあり、それが二度目の油断や「後で確認すればいいや」という思い込みに繋がったようにも見えてしまいます。

また、最終的に別の部署で見つかった際も、自分の記憶のズレのせいで確認を後回しにしていたとのことですが、その間、もしかしたらその部署の人たちに「誰のスマホだろう」と余計な気を遣わせたり、業務の手を止めさせたりしていた可能性もありますよね。

二度の失敗から最終的に良い教訓を得て行動を改めたことは素晴らしいと思いますが、そこに至るまでに周囲にかかった迷惑や、組織としての情報セキュリティ上のリスクを考えると、少し美談として着地させすぎているのではないか、というモヤモヤした思いも残りました。

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