2026年6月17日(水)  伝わる職場づくり

伝わる職場づくり

本誌の毎日の記事には、振り仮名が付されています。振り仮名は、漢字の読みを補うだけでなく、言葉の意味や内容を正確に伝える役割も果たしています。

Yさんが働く職場には、外国人スタッフが数人おり、中には日本語の理解が十分ではない人もいます。そのような人たちも、日本人スタッフと一体になって朝礼に参加し、共に読んでいるのが、本誌『職場の教養』です。

Yさんの職場では、「職場の教養』の輪読を導入してから、外国人と日本人のスタッフ間の交流が増えました。振り仮名があることで、言葉の受け取り方に差が生じにくくなり、同じ内容を同じ時間に共有できている点が一因のようです。

また、「読み間違えたらどうしよう」という不安が和らいだため、外国人スタッフも日本人スタッフも安心して輪読に参加できるようになったそうです。社内の連絡事項の伝達においても、情報が正確に伝わり、誰もが等しく理解しやすい環境が整っていることを実感しているといいます。

誰もが参加しやすい環境づくりが、職場全体の力を引き出すのでしょう。

今日の心がけ◆ 伝わりやすさを整えましょう

出典:職場の教養6月号

感想

職場の朝礼という、毎日繰り返される当たり前の時間の中に「振り仮名」という小さな工夫を取り入れることで、国籍や言葉の壁を越えた本当の意味でのワンチームが作られていく過程に、とても温かい気持ちになりました。

ダイバーシティや多様性という言葉はよく耳にしますが、実際に現場でそれを実現しようとすると、どうしても構えてしまったり、特別な施策が必要だと考えてしまいがちですよね。

しかしこのお話では、テキストに振り仮名を振るという、シンプルで誰もがすぐに始められる優しさが、外国人スタッフの「読み間違えたらどうしよう」という心理的なハードルを下げ、安心感に繋がっている点が非常にリアルで深く心に響きました。

同じ時間に、同じ文章を、同じように声に出して共有できる。

この「等しさ」こそが、単に情報を伝えるだけでなく、お互いの心の距離を縮め、日常的な交流を増やす強力な呼び水になっているのだと感じます。

言葉の受け取り方に差が出ない環境を整えることは、誰一人として取り残さないという職場の強いメッセージでもあり、そうした安心安全な土台があるからこそ、スタッフ一人ひとりが本来の力を発揮できるようになるのだろうなと、環境づくりの大切さを改めて教えてもらいました。

否定的な感想

この取り組みがもたらす効果に少し依存しすぎているのではないか、という懸念や別の課題も感じられました。

確かに振り仮名があることで、その場での「音読」はスムーズになり、全員が参加できているような一体感は得られるかもしれません。

しかし、「漢字が読めること」と「言葉の意味や文脈を深く理解できていること」はまったくの別物ですよね。

振り仮名という表面的なサポートがあることで、日本人スタッフの側が「みんなで読めているから、内容もちゃんと伝わっているはずだ」と満足してしまい、本来必要な「本当に意味が伝わっているか」の確認や、より深いコミュニケーションを省いてしまうリスクもあるのではないかと思います。

また、社内の連絡事項においても「誰もが等しく理解しやすい環境が整っている」とありますが、テキストの読みやすさだけに頼ってしまうと、ニュアンスの掛け違いや、日本のビジネス特有の暗黙の了解のような部分まではカバーしきれないはずです。

安心感を与える一歩としては素晴らしい試みですが、一歩間違えれば「形だけの一体感」を生み出す道具になってしまう危険性も含んでいるため、ただ読むだけで終わらせず、その後の日常のフォローアップをどう仕組み化していくかという視点も、同時に持っておく必要があるのではないかと感じました。

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